東大物理学科を卒業し、26年間外資系企業に勤務していた50代男性の玉井さん(仮名)が、2026年6月末に会社を解雇された。その経験を振り返り、浪人時代を「人生最大の挫折の原点」と語る。
浪人経験がもたらしたもの
玉井さんは「実はこの6月末に、会社を解雇されました。長年働いてきた会社からのクビ宣告は、これまでの人生の中では最大の挫折です。これまでにあった節目となる挫折を思い返すと、浪人はその原点であったと思います。今思うと、浪人は些細な挫折です」と述べる。
浪人して東大に入ったことで世間的な信用を得られたと感じているが、その後の社会人生活では、仕事へのやりがいや自身の価値が逆回転するような感覚を味わい、上司からの評価も急落したという。
挫折から学んだこと
「挫折はいつあるかわからない」と実感する玉井さんは、今後も何度もそれと対峙しなければならないと感じている。へこたれるか前を向くかは人次第だが、周りから必要とされている何かがあるかどうかが大きいと実感している。
「私自身、企業での経験を経て、それなりに経済的に余裕ができてきたので、いわゆる会社勤めだけでなく、少しづつ取り組み始めている社会に貢献する活動を積極的にしていきたいと思っています」
現在の活動と未来への展望
現在はNPO法人LIGHTS ON CHILDRENの会員として、企業が廃棄するパソコンをリサイクルして子どもたちに届ける活動や、障害のある人やセクシャルマイノリティの人たちの社会的認知を高める活動に参画している。過去にはコミュニティFMのパーソナリティも務めた。
「自分自身女装をすることもあるので、そういう人たちとのネットワークもできているし、地元で色々飲み歩いているから高齢者の悩みも聞いたりしてきました。今後は、30年間社会の中で生きてきた経験で、培ってきたものを活かしたいと思っています」
浪人して東大に入ったことによって世間的な信用を得た部分もあり、その経験はとてもよかったと語る。社会に出てさまざまな人と関わる中で経済的自立もある程度達成できたが、50歳を超えて社会貢献をしたいと考えるようになったことが自身の成長だと感じている。
「現在は学歴、収入を超えた第3のステージの過渡期ですが、周囲の友達と一緒に幸せになりたいという思いがとても強くなっています」
学歴から収入へ、収入から社会貢献へ。浪人から30年以上の時間をかけて進化・変化し続けている玉井さんの思いは、人生初の自己決定であり、浪人という挫折経験から始まったものだと振り返る。



