火災から2年4か月、愛知・愛西市の水谷酒造が新酒蔵建設へ地鎮祭
火災から2年4か月、水谷酒造が新酒蔵建設へ地鎮祭

一昨年5月の火災で酒蔵を失った愛知県愛西市の老舗酒造会社「水谷酒造」(立松豊大社長)で4日、新しい酒蔵の建設に向けた地鎮祭が行われた。火災から約2年4か月。一時は廃業もよぎったというが、関係者の「自分たちの酒蔵で酒を造りたい」という思いが具体的な形となって動き始めた。新たな酒蔵は来年4月に完成する予定だ。

火災からの再建の歩み

創業は江戸末期とされる。代表的銘柄の一つ「千瓢」は高い評価を受けてきた。

火災は2024年5月9日の午後に発生した。けが人はなかったが、木造平屋建ての酒蔵は一部を除いてほぼ全焼した。「一時は、蔵を閉じることも考えた」(立松社長)という。

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不幸中の幸いだったのは、酒造りに必要な酵母が外部に保管してあり、焼失を免れたことだ。地元住民や県内の同業者からの励ましもあり、半年後には県内の別の酒造会社の応援を得て酒造りを再開した。名城大学の学生サークル「日本酒研究会」のOGで、杜氏を目指している後藤実和さん(28)の支援も支えになったという。

再建資金を募るクラウドファンディングを実施したところ、予定金額を上回る約2400万円が集まった。

新酒蔵の設計と関係者の思い

この日の地鎮祭では、神事の後、立松社長や後藤さん、先代社長の水谷政夫会長(62)らが記念撮影を行った。全員の顔に、笑みがあふれた。

「今日がゴールではない。皆さんに、おいしいお酒を飲んでいただき、それを5年10年と続けていくためのスタートだ」。立松社長は、そう語った。

新しい蔵は2階建てで、蒸した米を入れる「もろみ」のタンクは温度管理できるタイプを採用。タンクは1階に置き、蒸した米を2階から入れるようにする。タンクに上って米を入れるという重労働が不要になる。この他、酒造りの工程が流れ作業でできるように動線も工夫した。

立松社長は「人を笑顔にできる、飲んで楽しくなるような酒造りを続けていきたい」、後藤さんも「販路拡大を目指し、営業活動などに努めていく」と話している。

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