氷見市を中心に大きな被害をもたらした記録的な大雨の発生から3日で1週間となった。県内では浸水や土砂崩れで住宅625棟が被害を受け、氷見市では依然として2地区の18世帯25人が孤立している。市はこの日、罹災証明書の交付に必要な現地での被害認定調査を始めた。
被害認定調査が始動、約10人で実施
氷見市では3日、公的支援を受けるために必要な罹災証明書の交付に向けた住家被害の認定調査が始まった。調査は、氷見市職員のほか、県や富山、南砺市など5市町から派遣された職員ら約10人で行われる。派遣は、大規模災害時に連携して被災自治体を支援する「チームとやま相互応援協定」に基づくもの。
市によると、8月30日~9月3日正午に氷見市民らから612件の罹災証明書の申請を受け付けた。調査初日の3日は、浸水被害の測定の基準を互いに確認するため、担当する職員約10人が1か所に集まって行った。
調査には、災害からの生活再建支援などの研究を行っている立命館大学の井ノ口宗成教授が参加。教授の助言のもと、浸水被害の大きかった同市園の住宅で、申請者の名前や住所を確認し、壁や網戸に残る浸水跡を見つけ、メジャーや測定用のポールを使って記録する手順を確認した。
井ノ口教授は「被災者の生活再建のために重要な作業になる。被害を見逃すことなく、迅速に調査を行っていくことが必要だ」と話した。調査に携わる氷見市税務課の松井健介さん(27)は「被災者に寄り添いながら、なるべくすぐに罹災証明書を交付できるよう取り組みたい」と話していた。
孤立地区は2地区に減少、住宅被害状況
氷見市によると、8地区程度あった孤立地区は、道路の復旧作業が進み、3日正午現在で2地区となった。今なお18世帯25人が取り残されているが、来週中頃には解消される見通しだという。
住宅への被害では、氷見市によると3日正午現在で床上浸水が182棟、床下浸水が357棟、全半壊が計9棟確認されている。県によると、2日正午現在で、高岡市で76棟、立山町で1棟が床上・床下浸水している。農業への被害では氷見、富山、高岡市の水田が計513.2ヘクタール(3日午前7時現在)冠水した。
県が警戒呼びかけ、自民党が要望書提出
3日に開かれた県災害対策本部員会議では、富山地方気象台が、今後も県内で雨が強まる可能性もあるとして警戒を呼びかけた。新田知事は「二次災害も懸念される。県でできることを総動員して被災者が一日も早く日常を取り戻せるよう取り組む」と述べた。
この日、県議会最大会派の自民党議員会は、被災地支援に関する要望書を新田知事に提出した。〈1〉激甚災害の指定に向けた国への働きかけや追加補正予算の速やかな編成〈2〉被災者の実情にあった支援策の実施〈3〉災害の教訓を生かした中長期的な対策――などを求めた。
ボランティア活動開始、土砂災害警報も
氷見市では2日から災害ボランティアの活動が始まった。市災害ボランティア・支えあいセンターによると、この日は同市宇波で約40人が浸水した家具や畳の搬出作業を行った。富山市から参加した酒井隆幸さん(69)は「地区の人たちと団結して作業を進められた。今後も可能な限り参加し、助けになりたい」と話していた。4日以降も市内で活動を行う予定だという。
前線や暖かく湿った空気の影響で、氷見市では3日午前8時28分までの1時間に29ミリの強い雨が降った。同市では8月下旬の大雨で地盤が緩んでいることから、気象庁は、同市にレベル3土砂災害警報を発表。市は市内全域の4万480人に一時、避難指示を出した。市によると、これを受け6人(3日正午時点)が避難所に新たに身を寄せた。
市ふれあいスポーツセンターに3日朝に避難した同市磯辺の60歳代女性は、「自宅の向かい側が山になっていて、27日からの雨で地盤が緩んでいるので土砂崩れが怖い。雨も強くて、親族からも注意するよういわれていたので早めに避難してきた」と話していた。



