SUVの人気が衰えを知らない。日本自動車販売協会連合会(自販連)が公表している乗用車のブランド通称名別ランキングで見ると、SUVでベスト20にランクインしている車種が少ないことから、SUV人気に疑問を持つ人もいるかもしれない。しかし、それは集計の問題だ。SUVは数多く販売されているため、1車種当たりの台数が少なくなる。そのため、実態が見えにくくなっていると考えられるのだ。
コンパクトSUVとクロスオーバーの台頭
コンパクトSUVのジムニーやライズ(軽自動車としてダイハツのロッキーもある)がランキング上位にあり、ランドクルーザーシリーズは高価格であるにもかかわらず、売れている。ジムニーは軽自動車の割合も多いため、普通車のランキングでは本当の人気が分かりにくい。
ジムニーシリーズは現行モデルで長く人気を博しているが、特に4ドアのジムニーノマドは手頃な大きさと価格で、大ヒット商品となった。また、ハイトワゴンと融合させたクロスオーバーSUVというジャンルも登場し、軽自動車やコンパクトカークラスでも人気を博している。
電動化がもたらすSUVの新たな魅力
直近では、日産が新型キックスを発売し、かなりの人気だ。日産のハイブリッドシステム「e-POWER」が第3世代になったことで燃費性能が向上したが、あのスタイリングで高い燃費性能を実現しているからこそ魅力的に映るのだろう。クルマの電動化によって燃費が実現されると、クルマのサイズ、重量、デザインの自由度が高まる。
最近は燃料価格が高止まりしており、ユーザーの燃料代に対する感覚はシビアになっているはずだが、それでも大きな出費となるクルマの購入は「どうせ買うなら満足度の高いクルマを選びたい」という気持ちが勝るようだ。「スポーツを楽しむためのクルマ」が発展して人気に。
SUV人気の背景にあるユーザーニーズの変化
ジムニーノマドが圧倒的な人気を維持している。ノマドは4ドア化しただけでなく、快適性や使い勝手も高めており、より幅広い層の需要を取り込んだ。ジムニーは「楽しいクルマ」のニーズに応えるブランドとして、ますます強みを発揮していくだろう。
なぜ、ランドクルーザーは「コスパ最強SUV」なのか。最上位300シリーズが人気の理由。実用性が高いトヨタ車の中でも、人気があるモデルの一つがランドクルーザーだ。ずいぶんと悪路破性を普段使いする需要が高まることで、装備は充実し、ラインアップも拡充。特に、高価格帯の300シリーズはコスパが抜群に良く、所有満足度を高めている。
各メーカーの戦略とSUV市場の今後
スズキ「クロスビー」はなぜ売れているのか。ビッグマイナーで販売倍増の理由。2025年10月に大掛かりなマイナーチェンジが行われたスズキのコンパクトSUV、クロスビーが人気だ。ユニークなアプローチで刷新し、競争が激しい市場で存在感を高めた。新型クロスビーの強みは何なのか、スズキの担当者に聞いた。
トヨタ「RAV4」はなぜ売れているのか。「トレンドの変化」に応じた巧みな商品戦略。トヨタの人気SUV、RAV4には、同社の逞しい歴史が凝縮されている。3ドアのコンパクト車から始まり、ニーズに合わせてボディを拡大。5代目からは再び日本でも販売し、人気車種になった。新型モデルも受注を停止するほどの人気で、収益に貢献するだろう。
「アルファード」は終わるのか。残クレ時代の「新たな主役」を探る。トヨタのアルファードの中古車価格が下落傾向にある。残価設定クレジットによる購入者が増え、市場に在庫が増えたからだ。現在、高級SUVの人気再燃の兆しもあり、残価設定クレジットを利用する層の需要も移り変わるかもしれない。



