鉄道係員への暴力行為2025年度は590件、前年度比68件増加
鉄道係員への暴力行為2025年度は590件に増加

駅係員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為は、駅や車内の安全を脅かす深刻な問題となっています。日本民営鉄道協会と全国の鉄道事業者は毎年発生件数を公表しており、2025年度は38社局で590件発生しました。前年度の522件から68件増加し、コロナ禍直前の水準に戻りつつあるとしています。

大手民鉄16社で168件、深夜帯と金曜日に集中

日本民営鉄道協会は、大手民鉄16社を対象とした調査結果も公表しています。2025年度、大手民鉄16社で発生した暴力行為の件数は168件です。発生状況については、「理由もなく突然に暴力を振るわれるケースや、酩酊者に近づいた際の発生が多く、時間帯については深夜帯(22時以降)に多く発生」していると説明しています。また、「特に金曜日の発生が多いことから、飲酒している可能性が高い」としています。

調査結果では、鉄道係員がさまざまな状況で暴力行為の被害に遭った具体的事例も紹介されています。本誌は2025年度上期(2025年4~9月)の調査結果で示された具体的事例をもとに、当時の状況を4コマ漫画で紹介しました。

発生場所は改札が最多、曜日では土曜日が最多

2026年7月に公表された調査結果によると、2025年度に全国38社局で発生した暴力行為590件のうち、駅施設での事例が約7割を占めています。中でも改札が214件(36.3%)で最も多く、次いでホームが163件(27.6%)、車内が119件(20.2%)となっています。

曜日別では土曜日が105件で最多、次いで日曜日が101件、金曜日が89件です。時間帯別では夜(17時~22時)が177件で最も多く、深夜(22時~5時)も162件で2番目に多くなっています。加害者が「飲酒あり」だった事例は271件(45.9%)で全体の半数近くに上り、週末の夜間から深夜にかけての発生や、飲酒していた加害者による事例が多いことがうかがえます。

加害者の年齢は、60代以上が141件(23.9%)、50代が117件(19.8%)、40代が99件(16.8%)、30代が96件(16.3%)、20代以下が85件(14.4%)と幅広く分布しており、年代を問わず加害者になりうる実態が浮き彫りになっています。

鉄道事業者の防止策と今後の対応

暴力行為の防止に向けて、全国の鉄道事業者は啓発ポスターの掲出、警察官の巡回と警備員の配置、駅係員への研修、駅構内・車内への防犯カメラ設置などの取り組みを継続しています。「暴力行為は絶対に許されないこと、暴力行為に対して鉄道業界全体が結束して、毅然とした態度で対応することを強く訴えてまいります」と述べ、今後も鉄道係員への暴力行為防止に向けた啓発活動を続けていくとしています。