UAE機緊急着陸、墜落未遂事件の徹底捜査と再発防止を求める
UAE機緊急着陸、墜落未遂事件の徹底捜査と再発防止を

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ発イスラエル中部テルアビブ行きの航空機がサウジアラビアの空港に緊急着陸した。副操縦士が機長を刺し、墜落を企てたという。副操縦士は拘束され、事情聴取が行われている。乗客174人の大半がイスラエル人だった。イスラエル政府はテロとの見方を強めており、関係各国は事件の全容解明を進め、再発防止を図らねばならない。

事件の経緯と機内の混乱

ロイター通信などによると、UAEの格安航空会社の旅客機が離陸から約2時間半後、インド人機長がオマーン人副操縦士に襲われた。機体は2分弱で約5千メートルも急降下した。機長は血まみれになりながら、操縦室のドアを自力で開け、異変に気付いた乗客らが操縦室に突入して副操縦士を制圧した。配管工の男性乗客が操縦桿を引き、機体を安定させた。

各国首脳の反応と背景

イスラエルのネタニヤフ首相はこの乗客らを「冷静な判断力と行動で、惨事を防いだ」と称賛した。インドのモディ首相も、重傷を負いつつ操縦室のドアを解錠した機長を「英雄」とたたえた。

イスラエルは格安航空会社側に対し、同国入りする操縦士について「イスラエルと国交を結ぶ国の出身者」であることを求めていたという。だが、副操縦士の出身国オマーンはイスラエルと国交がない。合意違反があったとすれば深刻である。同国メディアは、副操縦士がソーシャルメディアで、ユダヤ人殺害に言及していたと報じた。航空会社は事前に過激発言に気付くべきだった。

今後の警戒と対応

アラブ圏で反イスラエル感情は依然根強い。イスラエルはパレスチナ自治区ガザで交戦し、2月以降はイランとも対峙している。トランプ米大統領は事件にイラン関与の情報があるとし、調査中と述べた。反イスラエル勢力が関与していなかったかどうか、解明が待たれる。

イスラエルでは今月27日、総選挙が実施される。選挙を妨害し、中東の安定を損なう新たなテロ行為が起きることも想定し得る。イスラエル当局は情報収集に万全を期すべきだ。航空業界や各国政府も、さまざまなテロへの警戒を強める必要がある。