三田「モネの池」再生プロジェクト 市民団体が清掃活動を継続
三田「モネの池」再生 市民団体が清掃活動継続

兵庫県三田市小野の小野公園にある人工池が、フランスの画家クロード・モネ(1840~1926年)が描いた作品「睡蓮」のようだと注目を集めている。近年は放置されて枯れ葉が積もっていたが、地元の住民らが「落ち着いた池の風景を取り戻したい」と、2023年からボランティアの市民団体を作り清掃活動を続け、今夏には情報誌にも取り上げられた。

池の荒廃と再生への決意

小野公園は千丈寺湖(青野ダム)東端の湖畔に、県が1990年に整備した。整備前は湿地の植物が茂っていたことから、公園内に人工池(縦約31メートル、横約30メートル)を造り、周辺に比較的管理しやすいキショウブやカキツバタが植えられたという。

近くに住むガラス工芸家の前出佳与さん(49)は、95年の阪神大震災後に神戸市北区から移住した。当時の池はカキツバタが美しく咲き、コイが泳ぐ憩いの場だったという。ところが、2022年、コロナ禍で時間ができて二十数年ぶりに訪れた際は、水面をキショウブやスイレンがびっしりと覆い尽くし、荒れ果てた姿に変わっていた。池につながる水路も枯れ葉で埋まっていた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

市民団体の活動と情報誌掲載

ショックを受けた前出さんは、岐阜県などに「モネの池」と呼ばれる「映えスポット」があるのを参考に、この池を地域のにぎわいの場所にしようと「モネの池再生プロジェクト」としてSNSで参加者を募集。23年9月から市民団体「EGS(ええ感じグリーンさんだ)」を結成し、清掃活動を始めた。

メンバーは月に1、2回、朝に約2時間集まり、池を清掃。水面を覆い尽くしていたキショウブを刈り、たまった落ち葉なども除去し、池の底にスイレンの鉢を置いた。並行して各地のイベントに移動式ピザ窯を持ち込んだり、養蜂をしたりして、団体の活動資金を生み出している。

活動に着目した阪神北県民局が、出版社の「京阪神エルマガジン社」にアウトドアにふさわしい場所の一つとして、小野公園を提案。月刊誌「SAVVY(サビー)」8月号で紹介され、その記事が転載された観光冊子が7月中旬から、阪神北部の自治体やサービスエリアで1万部配布されている。

今後の展望とイベント

8月19日には市内のメンバー8人が集まり、それぞれ胴体をすっぽりと覆う胴長を身につけて池に入り、爪のついた柄の長い農具を使って沈んだ木の枝やゴミ、泥などを回収していた。

メンバーで介護福祉士の玉井麻理子さん(53)は「1年ぐらいは本当にきれいになるのか不安だったが、写真家が撮影に訪れるほどになった。多くの人が集う場所になれば」と言い、福祉施設職員の西羅奈美江さん(66)は「自然の中で活動できて充実感がある。若い人にも参加してほしい」と語る。

池では10月頃まではスイレンの花が楽しめ、紅葉シーズンには周囲の落葉樹・ラクウショウが水面を鮮やかに彩るという。団体は11月に乗馬で池を1周するイベントを予定し、池の底から引き上げた泥の肥料としての活用も目指す。

前出さんは「定期的に手入れしないと、池はまた元の姿に戻ってしまう。月1回ほどはイベントを開きながら、手入れを続けていけるようになれば」と話している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ