静岡県東部の3市2町が進めるごみ処理施設の広域化計画で、長泉町が参加を辞退した。候補地が熱海市内に絞られたことで、ごみの長距離輸送による負担増が見込まれるためだ。計画を推進する三島市、熱海市、函南町は、態度を明確にしていない裾野市の動向に注目している。
長泉町が辞退を表明、理由は運搬距離と費用
長泉町の担当者は3日、町議会9月定例会で、「熱海市の候補地は施設建設地として適性は高いが、あまりに遠方で、収集運搬の経済面への影響が多大である」と説明した。同町は8月19日の検討協議会で辞退を表明しており、比較的近い函南町の候補地ではなく、熱海市の候補地が「適格」と報告されたことが理由だ。
ごみ処理施設が熱海市に建設された場合、長泉町内の施設に搬入している現状と比べて運搬距離が約4倍の約26キロとなり、運搬費用も倍以上となる見込みだ。池田修町長は「メリットが不透明」と判断し、他の4市町への影響を考慮して早期に辞退を伝えたという。一方で、「ごみ処理の広域化、集約化は避けては通れない」と述べ、別の枠組みへの参加を示唆した。
残る市町は負担増と裾野市の動向に注目
ごみ処理施設の建設費の3分の1は国の交付金で賄われ、残りが市町の負担となる。長泉町が抜けることで、各市町とも数億円規模で負担が増加する見込みだ。残された4市町の関係者によると、長泉町と運搬費用の配分などについて相談しようとする動きもあったが、「間に合わなかった」という。
熱海市は「処分場の候補地が市内に決まり、市としては参加する方向」と意欲を見せた。函南町の仁科喜世志町長は「デメリットは思い当たらない。前向きに考えたい」と話し、三島市の豊岡武士市長も「運搬距離が長くなり輸送コストが課題にはなるが、(広域化の方が)メリットが大きい」と前向きな姿勢を示した。
裾野市は意向を明言せず、1月に伝える方針
裾野市の村田悠市長は3日の定例記者会見で、同市のごみ処理施設広域化計画について「1月に意向を伝える決まりになっている」として、参加の可否について明言を避けた。同市のごみ処理施設では既に2032年までの延命化措置が実施されているが、その後は未定だ。同市は協議会に参加しながら、市独自で官民連携による処理についても検討を進めている。
今回、建設候補地として適格とされた熱海市の土地へ運搬した場合、距離は現状の7倍、運搬費用も倍以上になる。村田市長は「市民の利便性を評価して決めたい」と話した。



