カスハラ未対策が過半数、浜松商議所アンケ 小規模事業者で対応遅れ
カスハラ未対策過半数 浜松商議所アンケ 小規模で遅れ

顧客からの理不尽な要求や迷惑行為であるカスタマーハラスメント(カスハラ)について、過半数の企業が対策を講じていないことが、浜松商工会議所のアンケート調査で明らかになった。改正労働施策総合推進法が10月1日に施行され、事業主には従業員をカスハラから守る対策が義務付けられたが、特に規模の小さい企業での対応の遅れが浮き彫りとなった。

調査概要と全体傾向

調査は7月にオンラインで実施され、156社(うち145社は中小規模事業者)から回答を得た。カスハラ対策について「必要性は感じているが未対応」との回答が最多の35%で、「必要性を感じていない」を合わせると56%に上った。一方、「十分に対策している」は10%にとどまった。

規模別の対応格差

対策をとっていない企業の割合は、従業員301人以上の大企業では11社中3社(27%)だったが、20人以下の小規模事業者では82社のうち52社(63%)を占めた。専任の担当者を置く余裕がなく、マニュアル作成などのノウハウも乏しい小規模事業者にとって、カスハラ対策のハードルは高いのが実情だ。

被害の実態と企業の声

実際にカスハラを受けた企業は63%で、具体的な被害内容(複数回答)は「暴言・威圧的な言動」が80%で最も多く、「長時間の拘束・繰り返しのクレーム」(41%)、「過剰な金銭補償・無償サービスの要求」(19%)が続いた。

アンケートに回答した企業からは「取引先の対応が非常に厳しく、社員の退職につながりかねない」(製造業)、「ネット上の匿名の書き込みや中傷は精神的負担が大きい」(サービス業)と、従業員の負担を懸念する声が寄せられた。「どこからがカスハラに該当するのか判断が難しい」(同)などと、正当なクレームとの線引きに悩む企業も少なくなかった。

商議所の支援方針

浜松商工会議所は、〈1〉「理不尽な言動には組織として対応する」姿勢を社内で共有する〈2〉現場の担当者が抱え込まず、管理者へ速やかに報告・相談できる体制を整える〈3〉警察や専門家など外部の相談窓口をあらかじめ確認する――の3段階で対策を進めるよう呼びかけており、セミナーや個別相談会の開催などを通じて企業を支援する方針だ。