会計検査院の調査で、運用を終えた航空自衛隊の救難ヘリコプター「UH60J」の解体作業を巡り、空自の部隊間で連携不足があり、稼働中の同型機で再利用できる部品を廃棄していたことが分かった。廃棄された部品は発電機など3種類(6個)の計5875万円分で、指摘を受けた防衛省は8月、自衛隊に適切な対応を求めた。
調査で判明した部品廃棄の実態
空自は整備計画に基づき、最新鋭の機能を搭載した戦闘機やヘリを配備できるよう、新旧型機の入れ替えを随時行っている。運用期間が終わった旧型機でも、稼働中の新型機に転用が可能な部品があり、再利用している。
検査院は、空自が2021~25年度に解体作業を行ったUH60Jの8機の部品130種類を対象に調査した。空自の解体作業部隊は、再利用できる部品の一覧に基づき、53種類の部品を保存。残りの77種類については一覧に載っていなかったため、ほとんど廃棄していた。
連携不足が原因で経費削減の機会を逸する
ところが、廃棄した部品のうち、発電機と燃料タンクのサポーター(左右)の計3種類は、別の部隊が、稼働中のヘリの修理などで購入する予定だった。
検査院は、廃棄前に購入予定を確認する作業がマニュアルに明文化されていなかったことが原因で連携不足に陥り、結果的に経費を抑えられなかったと指摘した。防衛省は「マニュアルを改訂し、再発防止に努める」としている。