防衛省が硫黄島(東京都小笠原村)の発電設備の点検業務を巡り、2024~25年度、規定上は競争入札を行うべきだったのに、随意契約していたことが会計検査院の調査でわかった。同省は特定の事業者しか業務ができないと判断していたが、検査院から「他社でも可能」と指摘され、9月から競争入札を行うことにした。
随意契約の経緯と検査院の指摘
硫黄島には現在、安全保障上の情報収集のために自衛隊員が常駐し、業務に必要な発電設備が設置されている。島への民間航路はなく、民間人が業務で訪れる場合は自衛隊機に搭乗する必要がある。
発電設備の点検業務では、鹿島建設(東京)が2020~22年度に1者で応札し、23年度以降は入札が行われず随意契約となっていた。防衛装備庁の契約手続きの規定では、随意契約が認められるのは、過去2年以上にわたって1者応札か1者応募で、かつ業務に必要な設備を所有しているのが1者と推測される場合としている。
検査院の調査と防衛省の対応
検査院が24、25年度の随意契約4件(契約金計5億5302万円)を調査したところ、点検業務では一般的な整備器具を使用していることが判明。民間航路がないという特殊性なども考慮して随意契約とされたが、島への移動に自衛隊機を無償で使用でき、宿泊施設も防衛省側が確保していることから、「特殊性を考慮する必要はなかった」と指摘した。
防衛省防衛政策局調査課は「業務を継続できるよう考慮したが、適正な契約を徹底する」としている。