救急安心センターひょうご、運用実績を初公表 斎藤知事「不急の要請抑制に寄与」
救急安心センターひょうご、運用実績初公表 斎藤知事が評価

急なけがや病気で救急車を呼ぶか迷った際に看護師らが助言する電話相談窓口「救急安心センターひょうご(#7119)」について、兵庫県は昨年7月の全県展開以降の運用実績を初めて公表した。年度末までの約9か月間に16万件以上の電話に対応。救急医療相談の88%は、救急車の出動要請に至らなかった。斎藤元彦知事は9月の定例記者会見で「不急の救急要請の抑制にも一定程度、寄与した」と述べた。

相談件数と内訳

「#7119」は、救急車を呼ぶべきかや受診の必要性について、看護師らが原則24時間365日、電話で相談に応じる。県内では2017年から神戸、芦屋、姫路3市で順次実施され、昨年7月11日に全県へ拡大した。

同日から今年3月末までの相談件数は16万7420件で、うち看護師が状況を聞きとり緊急性などを判断、助言する「救急医療相談」は7万5975件だった。「医療機関案内」も7万2753件あった。

救急医療相談のうち救急出動を要請したのは9491件(約12・5%)。相談は医療機関が休診となる夜間や休日に増え、午後7時台が最も多く、土曜は平日の約1・6倍、日曜・祝日は約2倍だった。

救急出動への影響

一方、昨年の県内の救急出動件数は33万5160件(前年比9626件減)で、搬送人数に占める軽症者の割合も48・6%(同0・9ポイント減)に減少した。県は、減少には感染症の流行や熱中症の発生状況など、別の要因もあるとして、「#7119の全県拡大がどの程度影響したかは経年での分析が必要」とする。

各地の消防局では業務の効率化につながっている。県が6月に県内の24消防本部へ実施したアンケートでは、17本部が「相談件数の抑制効果を実感している」と回答した。

明石市消防局では、#7119の運用開始後1年間で、医療機関の案内を求める代表電話への問い合わせが、前年同期比で約65%減った。西宮市消防局でも、119番での同様の問い合わせが同約33%減少した。以前は消防局の指令員が受診先を調べて案内していたが、現在は#7119を案内でき、対応時間の短縮につながっているという。

重症例の拾い上げと体制強化

緊急性の高い患者を拾い上げたケースもある。明石市では今年8月末までに市民の#7119の利用が1万8611件あった。相談後に市消防局に救急搬送を求めるなどしたのは少なくとも481人あり、うち155人が中等症以上だった。

昨年12月には、めまいと吐き気を訴えた男性(71)の家族が#7119に相談。119番するよう指示を受け救急搬送され、脳出血の疑いがわかった。同市消防局警防課の三品昌一・医療連携担当課長は「見過ごされかねない重い症状を拾い上げた事例だ」と話す。

県は相談体制を強化している。窓口の受け付けは、昨年度最大18人で応じていたが、現在は最大21人体制に拡充した。インフルエンザの流行期や大型連休などに人員を柔軟に配置する。県は「救急車を呼ぶべきか迷ったら#7119、緊急性が高ければ迷わず119番を」と呼びかけている。