熊本地震後に発生した商業施設「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)の爆発事故で、従業員2人が犠牲になった雑貨店の運営会社「ハビタ」(熊本市)側が、従業員に館内へ戻るよう指示した状況について、遺族に事実と異なる説明をしていたことが、遺族への取材でわかった。
会社側の説明と実際の指示の食い違い
同社側は8月22日、同社従業員の大竹玖瑠美(くるみ)さん(22)の遺族を訪問した。その際に手渡した文書によると、同社営業部長は地震翌日の7月29日、遺族に電話で連絡。その中で、犠牲になった従業員との地震直後のやり取りで、従業員から「荷物を取りに帰りたい」という希望があったことを示したうえで、「そうであれば、売上金を金庫に保管してほしい」と伝えた、と報告していた。
しかし、実際には「戻れるなら売上金を金庫に保管してほしい」と指示したという。
謝罪と再発防止の約束
営業部長は文書で「指示を出さなければ今回のような結果になっておりませんでした。結果として2人を店舗に戻らせる指示をした。誠に申し訳ございません」と記し、口頭でも遺族に謝罪。当初、事実と異なる報告をした理由については「保身と動揺によるもの」と釈明し、「なぜあのようなご報告をしてしまったのかと、後悔の念に堪えません」としている。
代表取締役も訪問しており、「事故を深く反省するとともに、心よりおわび申し上げる」と文書を読み上げて謝罪。再発防止を徹底し、補償を誠実に取り組むとしている。
遺族の対応
大竹さんの遺族によると、同社は8月2日にも遺族を訪ね、事故前後の経緯を記した文書を手渡し、店に戻るよう指示したことを認めた。しかし、従業員が自らの意思で館内に戻ろうとしているかのような記載があったことなどから、遺族が「指示ややり取りについて、全て正確に記載するべきだ」として、文書の再提出を求めていたという。



