伊賀市長パワハラ疑惑、百条委が報告書まとめへ 元課長と主張真っ向対立
伊賀市長パワハラ疑惑、百条委が報告書まとめへ 元課長と主張対立

三重県伊賀市の稲森稔尚市長によるパワーハラスメント発言疑惑を調査する市議会調査特別委員会(百条委)は、証人尋問を終え、報告書のまとめに入る。被害を訴える当時の資産経営課長と市長の主張は真っ向から対立しており、事実関係の認定が課題となっている。

疑惑の発端と百条委の経緯

疑惑は2024年12月26日、旧上野ふれあいプラザの売却に絡み、稲森市長が元資産経営課長に対し、処遇や異動について言及したとされるもの。電話と資産経営課での対面の2度にわたりやり取りがあった。百条委は6月から開かれ、9月28日には証人尋問が行われた。

厚生労働省はパワハラを、優越的な関係を背景とした言動▽業務上必要かつ相当な範囲を超える▽労働者の就業環境を害する――の3要素で定義し、全てを満たす場合に該当するとしている。このうち優越的な関係については稲森市長も認めており、争点は「業務上の範囲を超える」と「就業環境を害する」の2点に絞られている。

両者の主張が対立

元課長は証言で、電話の場面で市長から「(売却先の)介護関連事業者が(市長との関係が良好ではないとされる)従業員を雇っていることで会社として信用できない。今すぐ契約解除して」と言われたと主張。元課長が「民間の従業員に対して解雇するようには言えない」と反論すると、市長から処遇や異動希望の話が出たといい、業務上の範囲を超えるとしている。

一方、稲森市長は当時、事業者が工事に関する契約条件を不履行の状態だったとし、市と事業者の売買契約に「(不履行の場合)催告することなくこの契約を解除することができる」との条項があったとして、「契約書に基づいた。適法だ」と業務上の逸脱を否定。従業員に関する発言も認めなかった。

就業環境についても、元課長は処遇や異動希望に言及されたことを「脅しと捉えた」と述べたのに対し、市長は「職場環境を害した事実はない」と反論している。

今後の見通し

百条委は証言や資料を精査して報告書を作成する方針。証言に食い違いが生じており、両者のやり取りをどう認定するのか難しい判断を迫られる。10月中にまとめる意向だが、11月以降にずれ込む可能性もある。百上真奈委員長は「必要なら、弁護士のアドバイスも受けて検討することになるだろう」と話している。

旧上野ふれあいプラザは1977年に建てられた5階建てビルで、同年から2019年まで商業施設として運営された。閉店後は空き家状態だったが、土地建物を取得していた市が2021年に介護関連事業者へ売却。3年以内(2024年11月期限)に工事を完了するなどの契約条件を達成できず、契約解除となり、今年1月に所有権は市に戻った。市が活用法を検討している。