香港「銅鑼湾書店」元店主・林栄基さん死去、70歳 言論弾圧と闘い続けた生涯
香港「銅鑼湾書店」元店主・林栄基さん死去、70歳

2026年7月2日、香港の「銅鑼湾書店」元店長であり、中国当局による拘束を経て台湾へ逃れた林栄基(ラム・ウィンキー)さんが、肺がんなどのため台北市内の病院で逝去した。70歳だった。

頼清徳総統が哀悼、自由の尊さを称える

林さんの訃報を受け、台湾の頼清徳総統はSNSで哀悼の意を表し、次のようにその功績をたたえた。

「林栄基さんの逝去は深い悲しみですが、彼が遺した勇気は消え去ることはありません。台湾は、一人の香港の書店員が、最も平凡でありながら最も確固たる方法で『自由がいかに尊いか』を教えてくれたこと、そして民主主義は防衛の努力を続けなければならないと気づかせてくれたことを、永遠に記憶にとどめるでしょう」

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また、台湾の対中政策を担う大陸委員会も、「彼の台湾を愛し、民主と自由を支持する心は、国民から広く評価されるべきものである」との声明を発表している。

香港では看板撤去、言論統制の厳しさ

一方、故郷の香港では、かつて経営していた銅鑼湾書店の看板はすでに撤去されている。さらに、香港国家安全維持法などによる厳しい言論統制の下、彼の活動を公にたたえることは極めて難しい状況にある。

しかし、林さんが2016年に巨大な国家権力へ一人で立ち向かい、真実を語った勇気は、香港を離れた多くの人々や民主化運動の支持者の間で、今なお中国共産党の圧力に屈しなかった不屈の象徴として深く刻まれている。

銅鑼湾書店の誕生と禁書販売

林さんは1955年12月、香港で生まれた。1994年、香港の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)のビル2階に、約28平方メートルの「銅鑼湾書店」を開いた。長時間を書店で過ごし、ときには店内で寝泊まりするほど情熱を注いでいた。

2014年には書店を出版会社「マイティ・カレント・メディア(巨流傳媒)」へ譲渡したが、自身は店長としてそのまま店に残り、日々の運営を任されていた。

禁書を求める客層と影響

銅鑼湾書店は、中国本土で発禁となった政治書や歴史書を扱うことで知られ、多くの中国人観光客や知識人が訪れた。林さんは「真実の記述を届けたい」と語り、権威主義に対抗する読書の拠点としての役割を果たした。日本人客も少なくなく、その国際的な影響力は大きかった。

中国当局による拘束と台湾への亡命

2015年、林さんは中国本土を訪れた際に中国当局に拘束され、約8か月間拘留された。解放後、香港では活動が困難になったため、2016年に台湾へ亡命。その後も台湾で書店を再開し、言論の自由を訴え続けた。

台湾での批判と支持

台湾では一部から批判的な声もあったが、多くの民主派や市民が林さんの活動を支持。頼清徳総統の哀悼表明にも表れているように、林さんは台湾社会で自由と民主主義の象徴として広く尊敬されている。

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