ビールの酒税が10月1日に減税されたことを受け、大手各社は過去最大級のプロモーションに着手するなど、商機拡大への対応を一段と強めている。その矢先に独占禁止法違反(不当な取引制限)の容疑が発覚し、消費者の信頼を損ね、販売に冷や水を浴びせそうだ。
出荷は1994年度をピークに減少続く
価格調整の対象となった国内ビールは1994年度、708万キロリットルの出荷がピークだった。それ以降は右肩下がりで、アサヒグループホールディングス(HD)の勝木敦志社長も7月、取材に「日本の生産年齢人口(の減少)と同じような流れだ。毎年1、2%下がり、あらがえない」と話していた。
「酒離れ」進む中での減税
出荷の減少は、健康志向の高まりで「酒離れ」が進んでいることも一因とされる。サントリーHDの鳥井信宏社長は今夏、「(新型コロナの)パンデミックを機に、今まで3軒行っていた人が2軒になったとか、2軒行っていた人が1軒になったとかはある。その分酒量が減っている」との見方を記者に示した。
そうした状況で、各社はシェア拡大を狙い、減税を追い風にした販売戦略を打ち出している。しかし、カルテル容疑の発覚は、こうした取り組みに影を落とす可能性がある。