「若返り」治療薬へ前進、山中因子で緑内障臨床試験が米国で開始
山中因子で緑内障治療へ米国で臨床試験開始

iPS細胞を生んだ「山中因子」を細胞の若返りに使う臨床試験が米国で始まった。対象は、失明の主な原因である緑内障などだ。目の内部で山中因子を働かせ、緑内障で傷ついた神経細胞や視神経の機能回復をねらう。

米FDAが臨床試験計画を承認、患者への投与開始

米食品医薬品局(FDA)は1月、米ライフバイオサイエンシズが開発する候補薬「ER―100」の臨床試験計画を承認。同社は6月、患者に投与を始めたと発表した。

山中因子は、京都大の山中伸弥教授がiPS細胞を作製する方法として見いだした。皮膚などの体細胞を、受精卵に近い状態へ戻す「リプログラミング(初期化)」を促す四つの遺伝子として知られる。

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「30年にわたる研究を経てヒト臨床試験の段階に」

創業者で臨床試験を率いるハーバード大のデイビッド・シンクレア教授は7月、自身のユーチューブ番組で「30年にわたる研究を経て、ついにヒト臨床試験の段階に入った」と語った。

老化を「生物学的情報の部分的な喪失」ととらえ、その情報を回復させることで細胞機能を取り戻せる可能性があると説明する。

緑内障は日本人の失明原因で最も多い

日本眼科医会によると、緑内障は日本人の失明原因で最も多い。60歳以上の10人に1人がかかるとされる。失われた視機能を戻すことは難しいとされるだけに、新たな治療法への期待は大きい。

シンクレア氏らが見据えるのは、緑内障治療にとどまらない。最終的には、細胞だけでなく「体全体」の若返りを視野に入れる。

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