大阪府河内長野市は、市内を流れる石見川の豊かな水資源を生かしてワサビを栽培するプロジェクトを進めている。市が地域の農家や飲食関係者と協力し、栽培環境を整えたり、販売網を確立したりする計画で、清流で育つワサビの栽培を通じて、「水のまち」として同市の良好な自然環境をアピールする。
水質は最高ランク「AA」、石見川の清流
ワサビは清浄で酸素を多く含み、低い温度に保たれた水でよく育つとされる。同市は市域の約7割を森林が占め、その森林に雨水などがしみ込み、濾過された水が石見川には流れており、府が公表している河川の水質調査では、石見川全域が最高ランクにあたる「AA」の評価を受けている。
6月から栽培開始、約130本の苗を植える
市は流域の湧き水の採水場「行者湧水」や農園に協力を求め、6月から栽培をスタート。計130本の苗を植え、1年半~2年後の収穫を見込んでいる。
行者湧水では、約30本の苗を植えたプランターに水温20度以下に保たれた湧き水を循環させている。採水場併設の農産物直売所で収穫したワサビを販売する計画もあり、管理会社社長の森本定さん(70)は「石見川流域の水は、代々地域に引き継がれている大切な資源。ワサビを目当てに多くの人が訪れるようになってほしい」と期待を寄せる。
販売網の確立と今後の展開
地域での販売に加え、府内の飲食事業者らでつくる「府飲食業経営審議会」と連携し、ワサビを活用したメニューの開発・提供も検討している。市は今後、ワサビの栽培を拡大するとともに、ワサビ以外の「水資源活用プロジェクト」として、石見川の水を使った野菜の栽培や飲料の開発などにも取り組む考えだ。
市自然資本活用課の宮崎優理恵グループ長は「取り組みを通じて、豊かな水資源を河内長野の魅力の一つとして発信していきたい」と話している。



