29歳の女性を襲った原因不明の足裏の痛み。いくつもの病院を巡るも「疲れのせい」と片付けられていたが、最終的に関節リウマチと診断された。この経験が彼女を看護師へと導いた。きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師は、「関節リウマチの症状は起床後30分以内に出ることが多く、朝の関節痛やこわばりで気づくことが多い」と指摘する。
関節リウマチの診断に至るまでの苦闘
新井さん(仮名)は29歳の時、足裏に原因不明の痛みを感じ始めた。整形外科や内科など複数の医療機関を受診したが、「原因不明」「疲れのせい」と診断され、適切な治療を受けられない日々が続いた。症状が悪化し、最終的に関節リウマチと確定診断されるまでに長い時間を要した。
治療費の現実と患者の負担
関節リウマチの治療には高額な費用がかかる。新井さんは「昔に比べて関節リウマチの薬は増え、これはすごくありがたいことです。でも、新しい薬は価格が高く、高額療養費制度が適用されても負担が大きい。薬の種類にもよりますが、月に3万〜6万円ほどかかり、費用面は切実です」と語る。この経済的負担は、多くの患者が治療継続に苦労する要因の一つとなっている。
病気がもたらしたキャリアチェンジ
関節リウマチと診断された後、新井さんは看護学校に通い始め、准看護師の資格を取得。その後、医療機関に勤務しながら正看護師の資格も取得した。看護師になった理由について、「同じ慢性疾患の患者さんの力になりたかったから」と説明する。患者としての経験が、医療従事者としての道を切り開いた。
「患者という立場になって初めて、医師に自分の症状を伝えることの難しさに気づきました。医師が1人の患者さんに使える診療時間は限られているし、患者さんも遠慮があって医師に伝えづらい。そんなときにお手伝いができたら、と思ったんです」と新井さんは振り返る。
現在の症状と日常生活での注意点
現在、新井さんの関節リウマチの症状は落ち着いているという。日常生活で心がけていることとして、「毎日なるべく規則正しく、心身ともにあまり負荷がからない生活を心がけています。特に月経前や、薬を変えて安定するまでの期間は痛みが出やすいので、その時期には無理をしません」と話す。症状の変動に合わせた自己管理が重要だと強調する。
早期治療の重要性とメッセージ
最後に、新井さんは広く伝えたいメッセージとして、「私は初めての子育てに必死で、母乳育児を優先してしまいましたが、もう少し早めに治療を開始していたら、薬をやめられたかもしれないと思うことがあります。もし関節リウマチと診断されたら、すぐに治療を開始してほしいです」と訴える。早期治療が予後を大きく左右することを、自身の経験から痛感している。
関節リウマチの疫学と症状
関節リウマチは、女性に多く、特に30代から50代での発症が多いとされる。菊池医師によると、朝の関節痛やこわばりが典型的な症状で、起床後30分以内に出現することが多い。早期診断と治療開始が関節破壊を防ぐ鍵となる。新井さんのように、初期症状が非典型的な場合もあり、原因不明の痛みが続く場合は、リウマチ専門医の受診が推奨される。



