成分や効能が市販薬に似た「OTC類似薬」を医師から処方された患者に追加負担を求める新制度が来年3月から始まる。追加負担の対象から除外する条件などについて、厚生労働省が検討を進めている。
厚労省案の概要
このほどまとまった厚労省案では、がんや指定難病の患者が、その治療に関連して使う場合は追加負担の対象から外す。アトピー性皮膚炎の患者については、通年で使う保湿剤を対象外とする。患者団体はステロイド外用薬も同様に取り扱うよう求めている。生活保護受給者や18歳までの患者も追加負担を求めない。今秋中に最終的に決める。
新制度の目的と対象
新制度は、OTC類似薬を処方された患者の自己負担に薬剤費の25%を上乗せする。OTC類似薬は公的医療保険が適用され、市販薬より安く買えることが多い。追加負担を求めることで公的医療保険からの給付を抑え、現役世代の保険料負担の軽減につなげる狙いだ。
追加負担の対象になるのが、成分や用量などが市販薬と重なり、比較的軽症の人に処方される薬だ。厚労省は対象になると想定する薬として約1千品目を公表しており、解熱鎮痛薬のロキソニン錠や花粉症治療に使うアレグラ錠なども含まれる。
今後の課題
新制度には患者団体などから不安の声が上がっている。厚労省には新制度導入の目的を丁寧に説明し、広く理解を得ることを求めたい。必要な薬の使用を控えたり、薬を長期に使う患者の負担が過度に重くなったりしないように配慮が欠かせないのは当然である。この点で、厚労省案は重い疾患を治療中の患者や、薬の長期使用が不可欠な患者らに一定の配慮をしており、妥当ではないか。
公的保険の役割は、保険料を納めることで、深刻な病気や事故に遭遇したときに安心して受診できるようにすることだ。比較的軽い疾患の治療薬で、市販薬でも代替できる薬の費用の一部を医療給付から外すことは合理的だ。新制度の導入によって、患者の負担は薄く広く影響が及ぶことになる。多くの人が負担することで、一人一人の痛みを抑えることができる。いざというときに最善の医療を無理のない負担で受け続けるための改革を実現したい。



