「将来も自分の足で歩き続けたい」――そう願う人は多いものの、日々の忙しさから運動不足に陥っているケースは少なくありません。では、多くの患者を診る整形外科医自身は、どのような意識を持って体をケアしているのでしょうか。今回は、整形外科専門医の松繁治先生に、健康な関節や筋肉を維持するために「必ずやること」を伺いました。
整形外科医が続ける「日常運動」とは
松繁先生は、岡山大学医学部を卒業後、現在は新東京病院で勤務。専門は整形外科、脊椎外科で、日本整形外科学会の専門医や脊椎脊髄病医、脊椎内視鏡下手術・技術認定医などの資格を持ちます。そんな先生が日常で「必ずやる」と意識しているのは、無理なく継続できる形で体を動かすことです。
年齢とともに体力の低下を実感する中、特別な運動時間を確保するのが難しい方も多いでしょう。先生自身も多忙なため、スポーツジムに通うのではなく、日常生活の中に運動を組み込むよう工夫しています。例えば、少し距離はあるものの自転車で通勤したり、あえてバスを使わずに歩いたり、1駅手前で降りて30分ほどウォーキングすることもあります。また、病院内でもエレベーターではなく階段を使うなど、日常の選択を工夫することで自然に運動量を確保しています。
運動は単に体力を維持するだけでなく、筋力低下の予防や関節への負担軽減、さらにはストレス発散にもつながります。だからこそ「特別に頑張る」のではなく、「続けられる形で習慣化する」ことが重要だと先生は考えています。
腰痛予防のために意識していること
さらに、運動が難しい場合でも意識してほしいのが「長時間同じ姿勢を続けない」ことです。外来診療などで座り続ける日は、1時間に1回程度は立ち上がり、軽いストレッチや歩行を取り入れるようにしています。長時間の座位は血流低下や筋緊張を招き、腰痛などの原因になることが分かっています。
こうした小さな工夫の積み重ねが、将来の関節や筋肉の健康を守ることにつながります。無理のない範囲で日常に運動を取り入れることが、最も現実的で効果的な予防法だと先生は述べています。



