2016年の熊本地震で2度の震度7に襲われ、住宅の98%が被害を受けた熊本県益城町。今回の地震でも震度6強の揺れを観測したが、住宅被害は比較的抑えられた。揺れの大きさなど10年前と状況は異なるが、街にどんな変化があったのか。
10年前の教訓と復興の歩み
10年前に多くの建物が倒壊し、道を塞いだ町中心部。復興事業として大通りの拡幅や宅地の区画整理が進み、地震後に再建されるなどした真新しい住宅や商店が並ぶ。7月の地震後に訪ねると、街並みに大きな変化は見られなかった。
平田光則さん(79)は、前回の地震で築50年の木造2階建ての自宅が全壊した。行政の支援を受け、17年に平屋で自宅を新築。今回の地震では、家の基礎と駐車場の地面の間に隙間が生じたが、建物に目立つ損傷は出なかった。「近所も建て直した家ばかりで、被害は少なかった」と話す。
神社の再建と耐震化の成果
町内の木山神宮では、10年前に被災し、再建した鳥居や石灯籠(いしどうろう)などが再び崩れる被害が出た。一方、10年前に全壊し耐震性を備えて再建した社務所と権禰宜(ごんねぎ)・矢田秋代さん(68)の自宅は、いずれも無傷だった。「前回は家もなくしたので、住めるだけで助かります」と語る。
16年は町内で住宅3026棟が全壊、3233棟が大規模半壊・半壊、4325棟が一部損壊し、全住宅の98%が被災。家屋の倒壊などによる直接的な死亡者だけで20人になった。
今回の被害状況と耐震化の進展
県によると、7月の地震による益城町での住宅被害は、8月20日までの集計で全壊29棟、半壊200棟、一部損壊802棟。このほか2千棟余りについて被害の程度を確認中だが、町の担当者によると、瓦のずれやひび割れなどの損壊が多いという。地震で11人が負傷するなどし、死亡者はいない。
16年前後の変化は、新耐震基準への適合率が87%に上昇したことだ。住宅の耐震化が進み、今回の地震では大きな被害を防いだ。



