囲碁棋士の塚田千春二段(日本棋院関西総本部所属)が、日本ペア碁協会の声かけで、AI(KataGo)とペアを組む「NH(ネオヒューマン)ペア碁」の予選トーナメントに参加した。プロ入り後初のペア碁であり、AIとの共闘も初めての体験だった。
人間とAIが一つの人格に
ペア碁は通常、人間2人対人間2人で行われるが、今回の大会は人間・AI対人間・AIの形式。大会名の「ネオヒューマン」は、人間とAIが一つの人格になるという意味を込めている。手番は黒番人間→白番人間→黒番AI→白番AIの順で進み、AIの手は代打ちの人間が盤面に着手する。
予選には多くの棋士が参加。塚田二段は「ちゃんと打てるのか?」という不安もあったが、それ以上に楽しみでワクワクして対局に臨んだという。
AIに助けられた1局目、あたふたした2局目
1局目はAIに助けられた。どう打てばいいかわからない局面では、可能な限り自分がその場をしのぐつなぎの手を打ち、AIに道を切り開いてもらった。塚田二段が悪手を打った場面でも、AIが次の手で好手を打って立て直してくれた。「そう打つのか!」と感心すると同時に心強く感じ、AIとの息がぴったり合い、なんとか勝つことができた。
逆に2局目は、AIの読みに追いつけず、あたふたしてしまった。序盤は白(塚田二段側)が黒3子を抱えて実利を取り、黒が模様を作るという実利と模様の振り替わりになった。塚田二段は一段落した局面だと思い、もう少し戦いやすい碁形になってから相手の模様に侵入しようと考えていたが、味方のAIは「いきなり相手の模様を荒らしに踏み込んだ」という。
「え!いきなり狙うの!次の手わかんないんですけど!!!!」と心の中で叫んだ塚田二段。相手は厳しく応じ、心の準備ができていなかったため、ものすごく重い手を打ってAIの足を引っ張ってしまった。その後はずっと攻められ、生きるか死ぬかの戦いの末、大石を取られて惨敗した。
AIとのペア碁の面白さと今後の展望
負けてしまい残念だったが、AIがペアだと気楽で、人間同士のペア碁とは違う面白さがあり楽しかったと振り返る。塚田二段は「もし次の機会をいただけるようなら、次こそAIの意図をしっかりくみ取れるよう、頑張ります」と語った。
8月末には本戦も行われる予定で、塚田二段は「みなさんぜひご注目ください!」と呼びかけている。



