29歳の新井さん(仮名)は、ある日突然、足裏に激しい痛みを感じた。歩くたびに鋭い痛みが走り、日常生活に支障をきたすようになった。最初は疲れやストレスのせいだと思い、様子を見ていたが、痛みは一向に引かなかった。
最初の受診:原因不明の連続
新井さんはまず、地域の小さな整形外科を受診した。医師は「疲れでしょう」と軽く言い、湿布を処方しただけで帰してしまった。しかし痛みは改善せず、次にやや大きな総合病院を訪ねた。そこで「ホルモンバランスの乱れ」と診断されたが、具体的な治療はなかった。3軒目として別の整形外科を受診し、ようやく「関節リウマチ」と診断された。
関節リウマチは、免疫異常により関節周りの滑膜に炎症が起こる自己免疫疾患で、進行すると関節破壊や機能障害を引き起こす。新井さんは診断を半信半疑で受け止めた。「関節リウマチは高齢者の病気で、手指の痛みが一般的だと思っていました。私は20代で足の痛みだったので、誤診ではないかと感じ、セカンドオピニオンを求めました」と振り返る。
専門医への遠距離通院
当時、地元に関節リウマチの専門医はおらず、車で1時間かけて隣の市の有名病院を訪ねた。専門医の診断も同じだった。しかし、遠距離のため頻繁な通院は難しく、困っていたところ、近所に関節リウマチも診る整形外科が開院した。新井さんは「やっと見てもらえる病院が見つかった」と安堵した。
しかし、専門治療はすぐには始めなかった。その理由について新井さんは「当時、完全母乳育児をしていて、リウマチの薬を飲むと断乳が必要だと聞いたからです。子どものために、本格的な治療は少し後にしようと決めました」と話す。痛みが強いときだけ、整形外科で処方されたロキソニンやボルタレンなどの鎮痛薬でしのいでいた。
ようやく専門治療を始めるも…
その後、断乳を機に専門治療を開始したが、症状は完全には改善せず、痛みと付き合いながらの生活が続いた。この経験から新井さんは、同じような苦しみを抱える人を助けたいと強く思うようになり、看護師への道を志した。現在は看護師として働きながら、自身の経験を活かして患者に寄り添うケアを提供している。
新井さんのケースは、若年性関節リウマチの診断が難しいこと、また患者のライフスタイルに合わせた治療選択の重要性を示している。専門医によると、関節リウマチは早期診断・早期治療が鍵だが、症状が非典型的だと診断が遅れることがあるという。



