政府は、ストーカー加害者に全地球測位システム(GPS)端末を装着し、被害者への接近を通知する仕組みの導入を検討する。あわせて、加害者への治療やカウンセリングの受診を義務づける制度も検討する方針だ。これらは28日に犯罪対策閣僚会議で決定した緊急対策に盛り込まれた。
検討の直接のきっかけは、今年3月に東京・池袋の商業施設で発生したストーカー殺人事件。アルバイト店員の女性が元交際相手の男に刺されて死亡した。男は警視庁にストーカー規制法違反容疑で逮捕され、接近禁止命令を受けていたが、略式起訴で釈放されていた。警視庁は女性を親族宅に避難させるなどの措置を取っていたが、事件を防げなかった。
制度の概要と課題
緊急対策では、検挙や禁止命令を顧みず加害者が大胆な犯行に及ぶケースを踏まえ、被害者が危険性の高い加害者の接近を把握できるようにすることで被害者保護の強化を求めている。
具体的には、被害者も機器を所持し、加害者が一定の範囲に近づいた際にメッセージなどで通知を受け、回避行動を取れるようにする仕組みが想定される。警察も加害者の位置情報を把握する可能性がある。
一方で、GPS端末の装着は加害者の人権に配慮する必要があり、制度設計には多くの課題が残る。政府はストーカー規制法の改正も視野に作業を進める。
経緯
事件を受けた政府関係者は「今の制度では限界があり、被害者の安心は確保できない」と説明している。医療機関での治療やカウンセリングも男に勧めたが断られていた。



