「Ms.」の敬称広めたフェミニスト、グロリア・スタイネムさん死去 92歳
「Ms.」広めたフェミニスト、スタイネムさん死去 92歳

米国のフェミニズム運動を半世紀以上にわたり牽引してきたグロリア・スタイネムさんが、9月2日に92歳で亡くなった。日本で著書の翻訳を担当し、友人として長年交流があった翻訳家・エッセイストの道下匡子さん(84)は、「彼女は留学先のインドで出会った女性たちや、米国内で中絶した女性たちの声に触れてきた。女性たちの生の声に突き動かされてきた」と語った。

ジャーナリストから活動家へ

スタイネムさんは1934年に米オハイオ州で生まれ、60年代からジャーナリストとして働いた。フェミニズムの活動家となるきっかけは、人工妊娠中絶の問題だった。米紙ニューヨーク・タイムズによると、69年に女性たちが過去に経験した違法な中絶について話し合う会合に出席したことを機に、政治的な発言を始めた。自身が22歳の時、英国で違法な中絶をしたことも公表している。

生殖の自己決定権と社会の変化

当時、米国の大半では中絶が違法で、生殖の自己決定権は女性の社会進出の重大なテーマだった。AP通信によると、女性人口の半数超が労働市場に加わらず、妊娠を理由に解雇することも合法だった。連邦最高裁が73年に「ロー対ウェード」判決で女性が中絶を選択する権利を認め、米社会が大きく動いた。

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「Ms.」の敬称と功績

スタイネムさんは他の分野でも女性の権利獲得を進めた。象徴的だったのは、「Ms.」の敬称を広めたことだ。半世紀以上にわたり、フェミニズム運動の「顔」として活動を続けた。

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