母が腕と背中に激しい痛みを訴えた時、救急車は呼べなかった。米東部メリーランド州のジョナサン・ブラメルさん(28)は、命と医療費をてんびんにかけさせる自分の国に疑問を抱く。
救急搬送で3千ドル(約47万円)を請求された無保険の友人がいる。母に保険はあったが、どこまでカバーされるかわからない。選んだのは25ドル(約4千円)のウーバー。急病だと気づかれ乗車を拒否されないよう、息を乱す母を「病院にいる家族を心配して悲しんでいる」と取り繕った。母は心臓発作を起こしており、カテーテル治療を受けた。
貧困と経済格差が左派へ向かわせた
日本のような国民皆保険制度はなく、民間保険に入っていても、急病で多額の自己負担を求められることがある。こうした経験は、当時まだ10代だったブラメルさんを左派へと向かわせた。一部に集中する富を広く分配し、公的医療保険や福祉を充実させるべきだという主張に共感した。
いまは政治団体「アメリカ民主社会主義者(DSA)」の一員だ。ワシントンの公園で、大恐慌期の失業者の列を表した像のそばに立つブラメルさん。貧困や経済格差は、彼が民主社会主義にひかれた背景にある。
中間選挙を前に存在感増すDSA
そのDSAが、中間選挙を前に注目を集めている。DSAとはいったいどんな組織なのか。多くの人を引き寄せる背景にあるものとは何なのか。記事の後半でお伝えする。