旧姓使用法制化法案、政府と自民に温度差…首相官邸は提出前向き、党内調整へ
旧姓使用法制化法案、政府と自民に温度差…首相官邸は提出前向き

結婚を機に姓(氏)を変えた人の旧姓使用を法制化する法案の今国会への提出を巡り、政府と自民党の間に温度差が生じている。党内に先送りすべきだとの声が根強い中、首相官邸は提出に前向きで、党側との調整を進める考えだ。

自民党、検討チームの開催見送り

自民党は8日、調整していた氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)の開催を見送った。6日にはWTの役員会を開き、昨年6月に旧姓の通称使用法制化を視野に入れた「基本的考え方」をまとめた経緯などを確認していたが、法案提出の方針が定まらない中でのWT開催は時期尚早と判断した。

自民内の選択的夫婦別姓制度の推進派には、「別姓制度の実現が遠のく」として旧姓使用の法制化に慎重な意見が多い。法案を提出すれば、立憲民主、公明両党など選択的夫婦別姓の導入を主張する野党と対立構図になるのは必至で、自民では少数与党の参院側にも提出に慎重論がある。

法案の内容と提出を巡る経緯

法案は、旧姓使用の法律上の根拠を明確化し、行政手続きなどで旧姓を使う人の不便解消を狙うものだ。高市首相の持論で、昨年10月の自民と日本維新の会の連立合意書にも実現が盛り込まれた。

先の特別国会では、審議が見込まれる委員会で他の法案審議が立て込んでいることを理由に提出を見送った経緯があり、政府高官は「今国会ではぜひ出したい」と語る。

自民党の対応

自民の小林政調会長は8日の記者会見で「WTはできるだけ早く議論をスタートしたい」として党内議論を先行させつつ、政府側とのすりあわせを進める意向を示した。