政府が閣議決定した税制改正大綱は、高市早苗政権が目指す消費税減税の方策を示すものだが、財源を含む懸念が依然として払拭されていない。これで減税の妥当性に十分な理解を得られるのかが問われている。
懸念への対応明確に
政府は近く召集される臨時国会に関連法案を提出し、その成立を目指す。ならば審議に資するよう、懸念への対応をもっと明確に示すべきだ。年末の予算編成を待たなくては詳細に踏み込めないのでは遅すぎる。
高市政権は、飲食料品の消費税率を令和9年4月から2年間限定で1%とし、併せて9、10年度には中低所得者向けに消費税収1%に相当する額の給付を行う。11年度以降は所得連動給付を本格的に導入する。
財源確保の具体策が焦点
大綱には減収が見込まれる中小農家や外食産業への支援策のほか、減税に対応する小売店の負担を緩和する措置も盛り込んだ。税率変更で混乱を来さぬよう最善を尽くすのは当然だ。
財源は国債に頼らず、租税特別措置や税外収入など歳出・歳入の見直しで確保する。これらは2月の衆院選で高市首相が示したものと変わらない。具体論は進展しておらず、年末に先送りした形だ。
だが、財源をどう確保するかは減税の根幹に関わる問題である。早急な結論が難しいのだとしても、実現可能な財源確保策についてはできる限り具体的に明示するよう努めるべきだ。
給付制度の対象外への対応も
減税は2年間という約束をどう担保するかも問われる。政府は税率が元に戻る際の家計負担を考慮し、11年度に本格導入する給付制度の一部支給を早める措置を講じるが、制度の対象は中低所得者だ。対象外の勤労者にも対策を実施するなら必要な財源はさらに膨らむ。
臨時国会で関連法案への賛同を得るためにも、高市首相はさまざまな懸念に真摯に応える姿勢に徹しなくてはならない。



