7月1日時点の兵庫県内の基準地価(692地点)が15日に公表され、住宅地の平均変動率は県全体でプラス1.4%(4年連続)、商業地はプラス3.2%(5年連続)、工業地はプラス4.6%(6年連続)となった。利便性の高い都市部を中心に上昇傾向が続く一方、過疎化が進む地方部では下落傾向が続き、県内の二極化が著しくなっている。
住宅地は芦屋・神戸が上位、上昇率トップは東灘区
住宅地(476地点)は神戸市や阪神間で上昇しているものの、県北部や西部では下落が続いた。価格変動率がプラスとなったのは前年と同数の26市区町。ただ、金利上昇や物価高の影響で、上昇幅が前年より縮小している地域が増えた。
最高価格は高級住宅街として知られる芦屋市大原町で80万5000円。上位5地点の残りは神戸市東灘区(2地点)、西宮市、神戸市中央区だった。阪神南地域と伊丹、宝塚、川西各市は、大阪市や神戸市などに近接して需要過多の傾向が強く、高い上昇率を維持している。
上昇率では、神戸市東灘区田中町のプラス8.8%がトップ。続く神戸市中央区や芦屋市、神戸市灘区(2地点)の4地点も同7%以上となった。逆に下落率が最も大きかったのは姫路市家島町真浦小川のマイナス4.2%で、続く姫路市や上郡町、宍粟市の3地点で同3%を超えた。
商業地は三宮・芦屋の再開発が牽引、インバウンドも追い風
商業地(172地点)は、再整備の進む三宮駅周辺やJR芦屋駅南地区などで上昇が目立った。神戸空港の国際チャーター便の就航など外国人観光客の取り込みを狙った施策も追い風となっている。
価格上位5地点はいずれも神戸市中央区が占めた。三宮センター街の神戸市中央区三宮町が最も高く845万円。上昇率も4番目に高くプラス10.5%となり、県下随一の商業地区に位置する駅前再整備への期待感の高さがにじんだ。
上昇率のトップは芦屋市業平町の同12.9%で、JR芦屋駅前の再開発事業が影響した。前年3位だった豊岡市城崎町湯島弁天は同3.3%と上昇幅が一服した。
工業地は阪神南が好調、淡路島は下落続く
工業地(33地点)は、阪神南地域から神戸市にかけてがアクセスの良さなどから安定的な需要を維持している。最高価格は西宮市久保町で28万円。上昇率トップは神戸市東灘区御影浜町のプラス15.5%だった。一方で、淡路島南部地域では輸送コストがかさむため、下落傾向に歯止めがかかっていない。
県不動産鑑定士協会の梶川智保副会長は「都市部と地方部の地価の二極化は鮮明になっている。ただ、都市部でも金利上昇などで勢いが落ちたところもあり、今後は上昇傾向が鈍っていく可能性もある」と話している。



