米軍の対中新戦略が壁に 西太平洋の備えに広がる懸念
米軍の対中新戦略が壁に 西太平洋の備えに懸念

米軍は近年、台湾有事も念頭に、インド太平洋地域での中国との競争を意識した新たな戦略を打ち出してきた。陸海空、宇宙、サイバー、電磁波を含めたすべての領域を横断する作戦や、中国のミサイルを意識した航空機や艦船の分散・小型化、無人機(ドローン)の活用などだ。ただ、トランプ米政権の安全保障政策の迷走などにより、新戦略は壁に直面しているように見える。

西太平洋での訓練と演習

米軍は今年も、日本を含む西太平洋地域で中国を意識した訓練や演習をしている。

陸上自衛隊と米海兵隊は6月20~30日、離島防衛を想定した合同訓練「レゾリュート・ドラゴン」を九州・沖縄で実施。6月22日~7月1日にあった米軍主催の多国籍演習「バリアント・シールド」では、中国内陸部にも届く中距離ミサイルシステム「タイフォン」が、海自鹿屋航空基地(鹿児島県)に一時展開した。

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海兵沿岸連隊と第1列島線

沖縄米海兵隊では2023年11月、海兵沿岸連隊(MLR)が発足した。自衛隊元幹部は「台湾有事の兆候が生まれれば、この連隊が離島などに展開して、情報を収集しながら中国軍の接近を妨害する」と説明する。

米国防総省が26年1月に発表した国家防衛戦略は、日本列島から台湾、フィリピンを経て南シナ海を取り囲むように延びる第1列島線沿いに防御拠点を築き、中国の進出を食い止める方針を示した。同省によれば、中国軍は射程1千~5500キロの弾道ミサイルを約1800発、地上発射型の巡航ミサイルを約400発保有しているとされる。

残る課題

米軍は、こうした脅威にどう対処するのか。

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