東京都は21日、2025年度の当初予算案を公表した。一般会計の総額は12兆5000億円と、前年度比3.2%増で過去最大を更新。都税収入も過去最高となる7兆8000億円を見込み、子育て支援や防災対策に重点的に配分した。
子育て支援に「こども未来基金」創設
小池百合子知事は記者会見で、「少子化対策と防災力の強化は待ったなしの課題。未来への投資を積極的に行う」と述べた。目玉施策として、子ども一人当たりの給付型奨学金を拡充する「こども未来基金」を新設。2025年度中に500億円を積み立て、低所得世帯の高校生や大学生への支援を強化する。
また、保育所の待機児童解消に向け、認可保育所の新設・増設費を前年度比15%増の1200億円に拡充。一時預かり事業の利用枠も2割広げる。都の試算では、これらの施策により2026年度までに待機児童をゼロにする目標を掲げる。
防災対策費は1.2兆円 首都直下地震に備え
防災関連費は1兆2000億円と、前年度から700億円増加。特に、木造住宅密集地域の不燃化推進に400億円を投じ、避難所の備蓄品充実や耐震化率の向上を図る。都は「首都直下地震が30年以内に発生する確率は70%とされ、備えを急ぐ」と説明する。
さらに、老朽化した都営住宅の建て替えや、橋梁の耐震補強にも各200億円を計上。防災情報の発信強化のため、AI(人工知能)を活用した被害予測システムの開発費も10億円盛り込んだ。
都税収入7.8兆円で過去最高 企業業績好調が背景
都税収入は法人二税の増収が寄与し、7兆8000億円と過去最高を見込む。都財務局は「企業業績の好調が続き、法人税収が前年度比5%増の3兆2000億円となる見通し」と分析。個人住民税も、雇用・所得環境の改善を反映し2兆5000億円を見込む。
一方、都債発行額は2000億円と前年度並みに抑制。基金残高は1兆5000億円に積み増し、財政の健全性を維持する方針だ。
医療・介護分野も拡充 高齢者支援に500億円
医療・介護分野では、高齢者の在宅医療推進のため、訪問看護ステーションの整備費を100億円に倍増。認知症対策にも新たに50億円を計上し、早期発見・相談体制を強化する。都は「団塊の世代が75歳以上となる2025年問題を見据え、地域包括ケアの充実が急務」と強調する。
また、感染症対策として、新型インフルエンザ等のワクチン接種助成を拡大。備蓄用の医薬品購入費にも30億円を充てる。
予算案は2月の都議会定例会に提出され、3月末までの成立を目指す。



