ヘンリー王子警護の公費負担、英国帰還で議論再燃 脅威評価は
ヘンリー王子警護の公費負担、帰国で議論再燃

チャールズ英国王の次男ヘンリー王子(41)の帰国を受け、一家の警護費用を納税者が負担すべきか否かをめぐる議論が再燃している。専門家らは、王子に対する現実的な脅威が存在する可能性が高いと警告している。

帰国と警護の経緯

8月26日に妻メーガン妃(45)、長男アーチー王子(7)、長女リリベット王女(5)とともに英国に到着したヘンリー王子は、これまで警護上の懸念を理由に帰国を拒んでいた。夫妻は2020年、王室内の確執を経て公務から引退し、英国を離脱した。

ヘンリー王子は米カリフォルニア州に移住後も、英国の公費による警察の警護を維持するため数年間にわたり法廷闘争を繰り広げたが、敗訴していた。今回家族とともに帰国したヘンリー王子は、警察による警護の再開を強く求めているとされる。

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民間警備員のみ、専門家は懸念

英メディアによると、一家がバーミンガム空港に到着した際に配置されていたのは、警察官ではなく民間の警備員だったという。ウェールズ公時代のチャールズ国王の警護を担当していたスコット・ハマー元警護官はAFPに対し、「非常に驚くべきことだ」と語り、「現在公費で警護されている人々の中には、ヘンリー王子よりも脅威やリスクが低い者もいる。なぜ彼が同様の警護を受けられないのかという疑問が生じる」と指摘した。

ロンドン西方コッツウォルズ地方に滞在しているとされるヘンリー王子夫妻は、新学期から子どもたちを現地の私立学校に通わせる手続きをとったと報じられている。登下校の行動パターンが固定化することで、子どもたちの安全に対する懸念が一段と高まっているとみられる。ハマー氏は「脆弱性の観点からリスクを評価する必要がある」と分析。「毎日決まった時間に子どもを送り迎えしなければならないという状況は、王子を非常に攻撃されやすい立場に置くことになる」と語った。

RAVECの再評価と世論の冷ややかな反応

英国では、内務省の監督下にある独立機関「王族・要人警護委員会(RAVEC)」が、どの政治家や王族に警察の警護をつけるかを決定する。同委員会が2020年の北米移住後に警護レベルを引き下げたことをめぐり、ヘンリー王子は不服を立てて提訴したが敗訴。2025年に上訴が棄却された際には「昔ながらの権力による仕業だ」と非難していた。

ヘンリー王子の帰国に伴い、RAVECのリスク管理委員会は脅威レベルの再評価を行うとみられる。ハマー氏は「国際テロから、混血であるメーガン妃との結婚に反対する極右勢力まで、脅威はきわめて現実的だ」と説明する。ヘンリー王子が警察による警護にこだわる背景には、英国では民間警備員の武装が認められていない点がある。元王室警護官のサイモン・モーガン氏は「王子に対する脅威は非常に大きく、公式な警察の警護チームでしか対処できないというのが王子の主張だ」と解説する。

一方で、国民の視線は冷ややかだ。8月に実施された世論調査によると、ヘンリー王子の警護費を全面的に税金で賄うべきだと答えた人はわずか6%にとどまり、63%が「自己負担すべきだ」と回答した。王室専門家のアンドリュー・ロウン氏は「米国で自ら警護費を払っているのだから、より安全な英国でも自分で支払えるはずだ」と話す。

ハマー氏は、公務を行っているか否かは「関係ない」とし、歴代首相が退任後も警護されている例を挙げた。ロウン氏も同様の理由から、王子に対する公費警護の一部再開は最終的に認められると予測。「元首相らに公費警護をつけるのであれば、ヘンリー王子一家にも適用せざるを得ないだろう。しかし、それには多額の費用がかかる」と語った。

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