新幹線西九州ルート、ルート未定でアセス合意 国交次官の強い思いが動かす
西九州新幹線アセス合意 国交次官の強い思い

九州新幹線西九州ルートの武雄温泉―新鳥栖間の整備を巡り、佐賀県の山口祥義知事は2026年7月17日、県庁で記者会見を開き、ルートを決定しないまま環境影響評価(アセスメント)を進めることを容認する姿勢を表明した。この会見で知事の隣に座ったのが、国土交通省の水嶋智事務次官だった。長年膠着状態が続いてきた西九州ルートが動き出した背景には、水嶋氏の強い決意があった。

水嶋次官の「並々ならぬ思い」

水嶋氏は会見の冒頭で、「西九州新幹線を現状のまま放置してはいけないという強い思いで取り組んできた」と述べた。水嶋氏は1986年に旧運輸省に入省し、鉄道局の次長や局長を歴任。2025年7月に事務次官に就任した。事務方トップとして特に注力してきた政策は三つある。若手時代から携わってきた成田空港の機能強化、川勝平太・前静岡県知事とJR東海の対立を調整し議論を前進させたリニア中央新幹線の静岡工区着工、そして今回の西九州ルート整備である。

フリーゲージトレイン断念の経緯

西九州ルートを巡っては、2011年に政府・与党の確認事項で、新幹線と在来線の両方を走行可能なフリーゲージトレイン(FGT)の導入が決定された。しかし、その後の車両耐久試験での不具合など技術的検証の結果、FGTの導入は断念された。この経緯について、水嶋氏は国交省官僚の一人として責任を感じていたという。17日の会見では、「フリーゲージトレインの開発に携わった者として、その後の対応に悔いが残る」と述べ、アセスメント開始への強い決意を示した。

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今後のスケジュールと課題

アセスメントはルートを特定せずに実施され、環境影響を評価した上で具体的なルートが決定される見通しだ。佐賀県はこれまでルート未定のアセスに難色を示していたが、水嶋氏の粘り強い説得が実を結んだ形だ。国交省は早期のアセス着手を目指し、2027年度中の完了を目標とする。一方で、建設費の増大や沿線自治体の調整など課題は山積しており、今後の動向が注目される。

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