卵かけご飯の栄養吸収を妨げるアビジンの仕組み
日本人の定番朝食である卵かけご飯。手軽で栄養価が高いとされる卵だが、内科医の木内麻里氏は「生卵の白身に含まれるアビジンが、ビタミンB群の一種であるビオチンの吸収を妨げる」と警鐘を鳴らす。アビジンは加熱により不活性化するため、生卵よりも半熟卵や温泉卵の方が栄養吸収に優れているという。
木内氏は著書『その食べ方は栄養を吸収してません』(青春出版社)で、卵の消化吸収率の順位を明らかにしている。最も良いのは半熟卵(温泉卵)で、次いで固ゆで卵、生卵、目玉焼き、卵焼きの順だ。特に白身が半透明から白っぽく変わった状態が最適とされる。
ビオチン不足が招く皮膚トラブルと実例
ビオチンは皮膚や粘膜の維持に深く関与し、炎症を防ぐ働きがある。木内氏は実際の診療で、湿疹がひどい患者に「毎日生卵を食べていませんか?」と尋ねたところ、患者は驚きながら「食べています」と答えたという。このエピソードは、日常的な生卵摂取がビオチン不足を引き起こし、皮膚症状として現れる可能性を示している。
ビオチンは水溶性ビタミンで、腸内細菌によっても合成されるが、アビジンが強く結合すると吸収が阻害される。加熱調理がこの問題を解決する鍵となる。
最強の卵料理:栄養素を最大限に活かす方法
木内氏は、卵の栄養を最大限に引き出すには「2つの栄養素」を加えることを推奨している。具体的な食材名は明記されていないが、ビオチン吸収を促進する食品との組み合わせや、ビタミンC・鉄分などの相乗効果が期待される。
また、たんぱく質は「噛んで摂る」ことが重要で、よく噛むことで消化酵素の分泌が促進され、吸収率が向上する。そのため、卵料理も流し込むのではなく、しっかり噛んで食べる習慣が推奨される。
栄養価の高い卵の選び方と調理のポイント
スーパーで販売される卵は「栄養価が高そう」と謳う商品も多いが、木内氏は表示を鵜呑みにせず、実際の調理法を重視すべきと指摘する。例えば、放し飼い卵やDHA強化卵などは栄養面で優れるが、調理法を誤ればその恩恵を十分に受けられない。
結論として、卵かけご飯を楽しむなら、白身を軽く加熱した温泉卵や半熟卵を使用し、しょうゆだけでなく、ビタミンやミネラルを補う食材(例:海苔やネギ)を添えることで、より健康的な一品になる。木内氏は「毎日の小さな工夫が、長期的な健康に大きく寄与する」と強調している。



