「退職した自衛隊員や家族を支える組織が必要ではないか」「まずは生活の実態を把握する全国調査をしてほしい」――7月16日、国会内で開かれた超党派の「自衛隊員・退職自衛隊員・家族を支援する議員連盟」の初会合で、隊員OBや家族でつくる民間団体からこんな要望が相次いだ。
現役だけでない支援の必要性
現職隊員だけでなく、退職した隊員やその家族を含め社会がどう支えるのか。日本で十分に議論されてこなかった課題に対する切実な声だった。
議連の事務局長を務める自民党衆院議員の鹿嶋祐介氏は、陸上自衛隊に17年間勤務した元3等陸佐だ。「隊員が安心して任務に従事するためには処遇改善だけでなく、隊員の人生を総合的に支えられる制度設計が必要だ」と話す。
定員割れ続く中での課題
自衛隊の充足率は令和7年度末時点で約90%。防衛省は給与や手当ての引き上げなど処遇改善を進めており、7年度の採用者数は前年度から増加したが、定員割れは続く。
複数の現職・退職隊員は「問題は金だけではない」と口をそろえる。たとえば転勤だ。全国各地に駐屯地や基地を置く自衛隊では転勤が多く、隊員本人だけでなく配偶者の就労や子供の進学にも影響を及ぼす。
定年の早さも課題だ。若年定年制により、多くが50代半ばで退職を迎え、働き盛りの年代で再就職を迫られる。



