宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13日、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで、今秋にも打ち上げる火星衛星探査計画「MMX」の探査機を報道陣に初公開した。公開時の探査機は、火星までの飛行を担う部分と、火星の衛星「フォボス」への着陸や地球帰還を担う部分に分かれていたが、打ち上げ時には両者を結合する。
世界初の試料回収へ
探査機は同センターから主力大型ロケット「H3」で打ち上げ後、令和9年に火星周回軌道に投入。フォボスに小型探査車を放出して表面の状態を調べた後、探査機が2回着陸して砂などの試料を採取する。12年に火星を離れ、13年に地球へ帰還してカプセルを投下する予定で、成功すれば火星の衛星からの試料回収は世界初となる。
フォボスの起源に迫る
フォボスは、火星の約6000キロ上空を回る直径約20~30キロの小天体。起源は分かっておらず、本格的な探査に成功した例もない。持ち帰った試料を分析し、フォボスの成り立ちや、太陽系の天体間で水や有機物がどう運ばれたかを探る。火星から飛来した物質が混じっていれば、火星の歴史を知る手掛かりにもなる。
計画責任者の思い
計画を率いるJAXAの川勝康弘プロジェクトマネージャは、公開された機体を前に「この10年一緒に走ってきたので、今は子供を送り出す気持ちだ」と話し、「元気いっぱい働いてくれるのでは」と期待を込めた。



