総務省、情報開示請求後にチャット削除か 公文書管理法との整合性問われる
総務省、開示請求後にチャット削除か 公文書管理法との整合性問われる

朝日新聞が4月に情報開示請求した際、総務省内に当時存在していた日本郵便の不祥事に関する文書が開示されなかった。総務省は削除したと説明し、時期は不明とするが、開示請求後に削除した疑いがある。

チャットは行政文書、開示請求後に削除か

公文書管理法と施行令は、行政の意思決定過程を示す文書の作成・保存と、開示請求された際にあった該当文書の保存を定めている。開示請求後の削除は法令との整合性を問われる。

この文書は、総務省で郵便を担当する郵政行政部内にあった「Teams(チームズ)」のグループチャット。「放棄・隠匿」の名で、課長や課長補佐らで構成されていた。朝日新聞が2025年9月、郵便物を捨てたり放置したりした「放棄・隠匿」事案の一部を日本郵便が公表していないと報じ、6日後に立ち上げられた。総務省によると、このチャットは行政文書だ。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

開示決定もチャット文面は非開示

朝日新聞は独自にチャット内容を確認。チャット立ち上げ翌日にあった総務相会見の想定問答や、25年9月下旬に行われた行政指導の文案などが共有され、協議・修正後に省幹部や他部署に送られていた。

朝日新聞記者は26年4月、「行政指導や大臣会見の想定問答など意思決定に関するやりとりや検討資料など全ての行政文書」を求めて情報開示請求した。朝日新聞はその後の時期に、チャットが削除されず、存在していたことを確認した。請求は「特例延長」の後に26年7月14日に開示決定されたが、チャット文面やチャットで共有された文書は開示されなかった。

林総務相「適時に削除」、幹部「時期覚えていない」

朝日新聞は総務省にチャットの内容を伝えたうえで、8月31日に報道。林芳正総務相は9月1日の記者会見で、「適時に削除した」と説明した。朝日新聞は4月の請求後に存在を確認しており、林総務相の説明と併せると、4~8月に削除されたことになる。

総務省によると、チャットに参加した郵政行政部の幹部らは「削除時期は覚えていない」と話しているという。チャットでは、朝日新聞が25年9月に行った別の開示請求への対応を恣意的に遅らせる旨が投稿されており、総務省は11日、チャットに関わった7人を注意したと発表した。林総務相は「チャットは内部の業務連絡に用いた。性質から復元による確認の必要はない」としている。

内閣府公文書管理委員長代理を務めた三宅弘弁護士は「チャットの中身は意思決定過程そのもので、1年以上保存しなければならない。また内容は開示請求対象に該当し、請求後に削除してはならない」と話す。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ