栗東市で、公立中学校の部活動を学校から地域のスポーツ団体などに移す「部活の地域移行」を支援する新たな取り組みが進んでいる。地元のロータリークラブや青年会議所など5団体が「サポーターズクラブ」を設立。資金面での支援や指導者となる人材の仲介を目標に掲げ、子どもたちの選択機会を失わせないよう後押ししている。
サポーターズクラブの活動内容
同市は2024年度から地域移行の体制づくりを開始。部活を取り巻く環境の変化や指導者不足、資金面での課題を受けて、地元団体が人材確保を含めた応援体制を整えた。今年1月にサポーターズクラブを発足させ会員を募った結果、7月29日現在で20団体と個人28人が賛同している。
地域クラブが活動しやすいよう、市も学校施設の開放制度を見直し、平日夜間のみだった体育館などを土日も使用可能にした。
地域移行クラブの現状
2024年度末には卓球が栗東市地域卓球クラブとして栗東中体育館を練習場にスタート。2025年度には柔道(栗東柔道連盟)、野球(栗東葉山野球クラブ)が続き、2026年度は陸上(レゼルTFC)、女子バスケットボール(栗東ジュニアバスケットボールクラブ)が加わった。文化系では書道(書道クラブ栗心会)も2026年度の本格スタートを目指している。
栗東中の柔道部は2023年夏に廃部となった。柔道に取り組んできた生徒の中には、市内の中学校に柔道部がないため守山市などに引っ越して続けたり、他の部活を選んだりする例もあった。しかし栗東柔道連盟が受け皿となり、栗東市内の全3中学校から集まる柔道の地域移行クラブに所属することで、県中学校体育連盟主催の試合に出場できるようになった。
昨年から部員となった栗東中2年の上原颯真君(13)は「町のクラブで続けようと思っていた」と話す。地域移行クラブの誕生で中学生同士が対戦する大会に出られるようになり、「青春です!」と笑顔を見せる。クラブの部員は今年5人が入部し、昨年の2人とともに7月下旬の県中学校夏季総合体育大会団体戦に初出場。惜しくも1回戦で敗れたが、確かな足跡を残した。
栗東西中2年の片桐亘平君(13)は「他校の仲間とも仲良くなれるのがいい」と語る。地域移行クラブの代表、三浦慶農さん(47)は「遠くの柔道クラブに通う必要もなく、地元で続けられるようになったのは大きい」と喜ぶ。
指導体制の充実と今後の支援
中学での部活動減少の背景には、教職員に専門的な指導が可能な人材が少ない現状もある。三浦さんは「保健体育教員が全員柔道の専門家ではない。安全面を考えると、資格を持った指導者が教えるべきだ」と指導体制の充実を訴える。
サポーターズクラブは自動で球を放つ「卓球マシン」や柔道のスコアや試合時間を表示する「計時機」を贈るなど、各クラブの活動を支援。サポーターズクラブの南新介会長は「指導者の紹介だけでなく、会員を増やして、いずれは1000万円規模の応援ができるようにしたい」と目標を掲げる。
市からは学校の部活動に対して大会旅費などに使える補助金が毎年出ているが、地域移行クラブには発足時のみ。市教育委員会は「生徒たちの活動機会を確保するうえで、サポーターズクラブの支援は大きな意味がある」としている。



