熊本県を震源とする地震の発生を受け、政府は被災地からの要請を待たずに支援物資を送る「プッシュ型支援」に注力する。政府がプッシュ型支援を主導した2016年4月の熊本地震の経験をいかす方針だ。今回は真夏に起きたことを踏まえ、避難所の熱中症対策にも重点を置く。
首相が関係閣僚に要請
高市首相は29日、首相官邸で開かれた非常災害対策本部会議で「被災者や被災自治体のニーズを的確に把握し、熱中症対策を含めて良好な避難所環境の確保に全力であたってほしい」と関係閣僚に要請した。「プッシュ型支援に各省庁の力を結集して取り組んでいる」と強調した。
クーラー300台を空輸
被災地では停電が発生している地域もあり、被災者や救助活動にあたる隊員の熱中症対策が急務となっている。政府は、水や食料などの生活必需品に加え、クーラーや電源車を送るプッシュ型支援を始めている。小泉防衛相は29日、航空自衛隊機でクーラー約300台を同日中に熊本県に空輸する計画を明らかにした。
過去の教訓と車中泊対策
プッシュ型支援は、政府の対策としては16年の熊本地震で初めて実施された。この際は中継拠点に物資が滞留する事態も生じたが、首相周辺は「政府と自治体にノウハウが蓄積されている。円滑に支援物資を届けられるはずだ」と語る。
16年の熊本地震では、2度目の震度7を観測した「本震」でより大きな被害が出た。政府高官によると、今回も、再び大きな地震が発生する可能性を懸念して車中泊を選ぶ被災者も多いという。政府は、車中泊で必要となるガソリンが不足しないよう供給に万全を期し、エコノミークラス症候群に注意するよう呼びかけを続けている。
自衛隊約4600人態勢
自衛隊は約4600人態勢で救助や給水支援にあたっている。小泉氏は防衛省・自衛隊幹部を集めた会議で「できることは全てやるという決意のもと、人命救助を最優先に、給水支援など生活支援についても全力で活動を実施してほしい」と指示した。
政府は29日、被害状況と現地のニーズを把握するため、津島淳・内閣府副大臣を熊本県に派遣した。



