イオンの吉田昭夫社長は29日、熊本県嘉島町の「イオンモール熊本」で発生した爆発事故に関し、記者会見を開き、全国のイオンモールでガス設備などの緊急点検を実施する方針を明らかにした。吉田社長は「施設の安全性を担保することがまず必要だ」と強調した。
地域の防災拠点としての衝撃
地域の防災拠点として高い存在感を誇ってきたイオンにとって、今回の事故は大きな衝撃となった。イオンは2024年2月末時点で141の自治体と包括連携協定を結び、災害時には物資の供給や避難場所の提供などを行ってきた。吉田社長は「イオンモールを営業する中で、供給ガスによる事故は東日本大震災の時にもなく、初めてのこと。想定しきれなかった」と述べた。
避難誘導と従業員の死亡
来店客らの避難誘導は約30分で完了し、「お客様の誘導は徹底された」と説明したが、テナントの従業員3人が死亡し、さらに3人の安否が確認できていない。社内ルールでは、一度避難した後は施設内に戻らないよう定められているが、吉田社長は「従業員が館内に戻った理由はわからない」と話した。
施設の歴史と今後の対応
イオンモール熊本は2005年に開業し、2016年の熊本地震で一時休業した後、順次営業を再開。2018年には増床リニューアルも実施した。経営への影響について吉田社長は「今考える余裕はない。まずは人命救助に集中し、経営の立て直しは二の次だ」と述べた。



