簗和生農林水産相が、自身を支持しなかった地元自治体の予算を「カットした」と発言した問題で、憲法の「法の下の平等」に反する可能性が指摘されている。簗氏はこの発言を撤回し、おわびした。
政治家の仕事と行政の公平性
有権者の要望の実現や困りごとの解決に向け、法律を作ったり、地元の事情を「情報提供」として行政に伝え、改善を促したりするのは、政治家の仕事だ。だが、職務権限を背景に金を受け取ったり、選挙で勝つために補助金などの利益誘導を約束したりすれば、法律で罰せられる可能性がある。
では、金が絡まなければ何でもありなのか。政策研究大学院大学の飯尾潤教授(政策過程論)は、「憲法は14条1項で『法の下の平等』を定め、行政には、合理的な理由なく国民を差別してはならないという『行政の公平性』があります」と語る。
その上で飯尾教授は、「党派性を持ち、政治的中立性のない政治家が、自分の政治的立場に沿って行政に予算執行の指示を出したり、圧力を掛けたりすれば、この『行政の公平性』を傷つけることになり、政治家としてはアウトです」と指摘した。
「予算カット」発言の経緯
簗農水相は、週刊文春電子版やデイリー新潮などの報道を受けて、自身を支持しなかった地元自治体の予算を「カットした」と発言したことを認め、撤回し、おわびした。この発言は、行政の公平性を損なう行為として批判を集めている。