国と佐賀県、環境アセスメント実施で合意
国土交通省と佐賀県は17日、西九州新幹線で未整備となっている武雄温泉駅から九州新幹線までの約50キロ区間について、環境アセスメント(環境影響評価)を実施することで合意した。これを受け、同省の水嶋智事務次官と山口知事が佐賀県庁で合同記者会見に臨み、合意内容や今後の見通しについて説明した。
ルート特定せず、幅を持ったアセスに
今回のアセスメントは、特定のルートを前提としない形で行われる。水嶋次官は「特定ルートを前提としない合意。幅を持ったアセスは北陸新幹線の例がある」と述べ、国が念頭に置くJR佐賀駅ルートについては「国側で念頭に置くルートはあるが、佐賀県内に様々な意見があり、このような合意内容になったと理解している」と説明した。
アセスメントの期間について水嶋次官は「通常3年ないし5年。技術的な議論もして佐賀県の理解も得ながら進めていく」と述べた。
財源負担、長崎も協議対象に
財政負担については、水嶋次官は「具体的な決定はない。関係者で知恵を出し合って財源問題を考えたい」と述べるにとどめた。山口知事は「これから協議をしていく。一定の条件がしっかり明記されたこと、今までは県のみが負担するのが通例だったが、受益と負担の関係で長崎も一緒に(協議を行うことに)なったことで、国交省には(佐賀の事情を)受け止めてもらったと感謝している」と述べ、長崎県も財政負担の協議に加わることを歓迎した。
一方、長崎県は負担について否定的な姿勢を示している。水嶋次官は「今の段階で、具体的な手法や方法の案があるわけではない。基本、新幹線施設の所在地の自治体が負担するが、共通設備についてはそれが必ずしも自治体になくても、負担してもらう仕組みもあるので今後関係者で議論していく」と述べ、今後の協議の必要性を強調した。
合意に至るまでの経緯と知事選への影響
山口知事は、合意に至るまでの協議状況について「5月26日に7回目の協議を行った。6月に3回、7月に1回行い、大筋の合意に至った」と説明。水嶋次官は「情報が不足して(世の中に)ご心配をかけたかも知れない。当事者同士、腹を割って話し合うことの大切さを感じてきた。静かな環境の中で議論することに協力していただき、感謝している」と述べた。
今回の合意発表が12月の知事選を意識しているかとの質問に対し、山口知事は「全く意識していない。これからも県、県民のために、という意識で取り組んでいく」と否定した。
今後の展望
水嶋次官は「人口減少の時代に、幹線高速鉄道で地域間を結ぶことが最後にして最大の希望だと思う。新幹線により生活の質が改善すると思っている」と述べ、新幹線整備の意義を強調。山口知事は「議論を前に進めるのは並大抵のことではなかった。今後議論は深まっていく」と述べ、今後の協議に意欲を示した。



