東京大学の次期学長選考を巡り、疑問の声が広がっている。大学院総合文化研究科の藤垣裕子教授が次期学長(総長)に選出されたが、教職員らの意向投票では大学院工学系研究科教授の染谷隆夫・東大副学長が1107票でトップだった。半分の553票で2位だった藤垣氏を選んだ理由について、大学側は説明責任を果たしていない。
文科相も説明求める
関芳弘文部科学相は記者会見で「なぜそのような判断をしたのか、しっかり説明する必要がある」と述べた。東大には税金から年800億円超の運営費交付金が支給されており、国民に対して選考理由を明確にするよう求める声が出ている。
実績面での疑問
東大の候補者資料によると、染谷氏には文科相表彰や日本学術振興会賞など13もの「特記事項(受賞歴等)」が記されている一方、藤垣氏の特記事項は「なし」で、学術上の実績面でも疑問が残る。
選考会議の議長である国谷裕子・元NHKキャスターは会見で「総合的に考慮した」「国際的な経験をもとに、より開かれた大学に向けた変革を実現する能力がある」と述べたが、曖昧な理由では納得を得られないとの指摘がある。
SNSでの指摘と他の問題
藤垣氏が東大で初の女性学長になるため、SNSでは「能力より性別が優先されたのではないか」との指摘も広がっている。誤解というなら詳細に説明すべきだ。
また、東大では大学院教育学研究科の本田由紀教授が、女性皇族の御写真を添えた別の人物のXの投稿を引用し、「この人たちを目にするたびに、遺伝的要因のおそろしさを感じる」と投稿した問題で、きちんとした処分を含め納得できる対応をしていない。学科の所属長が「注意」しただけだ。関文科相はこの問題でも「東大は過去の処分事例もしっかりと踏まえ、適切な対応に取り組んでほしい」と語った。
東大は国際卓越研究大の認定を目指しているが、現状では認めるに値しないとの見方が強い。