「スマホは命」中2女子の告白、SNS依存の実態と海外規制の動き
「スマホは命」中2女子の告白、SNS依存の実態

大阪市の中学2年の女子生徒3人は、スマホを「命」「人生」「お金の次に大事なもの」と表現し、自らを「ドパガキ」と呼ぶ。ドパガキとは、ドーパミン中毒の子供を意味する若者言葉で、SNSで刺激を求め続ける若者を指す。

1日11時間の利用も

3人が夢中なのはインスタグラムやティックトックで、同世代のダンス動画や人気の中華料理「麻辣湯」、カプセル玩具の開封動画などを見続けている。設定画面を確認すると、3人とも1日平均5~6時間を使用しており、中には日曜に11時間使った子もいた。

「勉強中でも気になって、こっそり触ってしまう」「夜更かしして動画を見て、授業中寝てしまう」と話す。一人の女子生徒(14)は「スマホを触っている間は楽しいけど、宿題が終わっていない現実に戻ると後悔するんだ」と打ち明けた。

脳みそがへばりつく感覚

SNSには、利用者の興味に合わせた投稿を優先表示するアルゴリズムや、指先でスクロールし続ける「無限スクロール」機能があり、長時間利用を促す仕掛けがある。

関東在住の30歳代の女性は大学時代からSNSにはまり、かつては1日10時間以上スマホを手放せなかった。「時間を無駄にしている」と自己嫌悪に陥り、精神的に不安定になった時期もあった。タイマーで利用を制限しようとしたがうまくいかず、現在はインターネット依存の自助グループに通い回復しつつある。「自分一人では抑制できない。私みたいな人は、世の中に大勢いるのでは」と語る。

若年層ほど依存リスク

厚生労働省の依存症対策推進室は、SNSの使い過ぎはWHOの疾病分類にないため「現時点では、病気として捉えていない」とする。一方、国立病院機構久里浜医療センターが2025年に実施した調査では、回答した約4500人のうち1.7%が「SNSの病的使用疑いあり」と推計され、10歳代では7%に達した。子供は欲求をコントロールする力が未熟で、依存リスクが高いとされる。

また、8月に公表された全国学力・学習状況調査の分析では、SNSや動画の視聴時間が「4時間以上」の小中学生は、算数・数学の正答率が「30分未満」より20ポイント以上低かった。

海外で進む規制、日本は慎重

海外では未成年のSNS利用を制限する動きが強まっている。豪州では昨年12月、16歳未満のアカウント取得を防ぐ義務を事業者に課し、違反には罰金を科す法律が施行された。米カリフォルニア州では今年9月、16歳未満への「無限スクロール」提供を禁じる州法が成立した。

日本では、年齢で一律に制限することは表現の自由や知る権利を侵害し得るとの意見がある。こども家庭庁の有識者会議が7月にまとめた中間報告は、「政府で引き続き議論を重ね、実態に即した保護の在り方を構築することが重要」としている。一方で、規制をすり抜ける子供が出る可能性も指摘される。

ネット依存の予防・回復支援に取り組む「MIRA―i」(東京)の森山沙耶所長は「まずは『アカウントは非公開』『深夜は通知オフ』などの注意点やSNSのリスクをきちんと教え、保護者が関わりながら年齢や発達に応じて利用できる範囲を徐々に広げることが大切だ」と話す。