東京都は2027年度から、最先端の人工知能(AI)を搭載した自動運転バスの実証実験を都内で開始する方針を固めた。都関係者が18日、明らかにした。この実証実験は、運転手不足の深刻化や高齢者を中心とした交通弱者の移動手段確保が目的で、レベル4相当の自動運転技術を活用する。レベル4は、特定条件下で完全自動運転が可能な水準で、ドライバーが不要となる。
実証実験の概要とスケジュール
実証実験は2027年度から2029年度までの3年間を予定。都内の複数のルートで実施され、まずは東京都心部と郊外を結ぶ路線で行われる見通し。都は、この実験を通じて技術的な課題や社会的受容性を検証し、2030年代の本格的な実用化を目指す。実験には、都や関連企業、研究機関が参画する。
使用されるバスは、複数のセンサーやカメラを搭載し、周囲の状況をリアルタイムで把握。AIが走行経路を最適化し、安全な運行を実現する。都によると、このシステムは悪天候や複雑な交通状況にも対応可能で、既存の自動運転技術よりも高い精度を誇るという。
期待される効果と課題
都は、自動運転バスの導入により、運転手不足の解消だけでなく、交通事故の減少や渋滞の緩和も期待している。都内のバス運転手の平均年齢は上昇傾向にあり、2025年には約2割の路線で運転手が不足するとの試算もある。また、高齢化が進む地域では、バス路線の維持が困難になっており、自動運転バスが新たな移動手段として注目されている。
一方で、技術的な課題として、複雑な市街地での安全確保や、他の交通参加者との協調が挙げられる。都は、実証実験を通じてこれらの課題を洗い出し、対策を講じる方針だ。また、法規制の整備や、住民への周知・理解促進も重要な課題となる。
都の担当者のコメント
都の担当者は「自動運転バスは、未来の都市交通を変える可能性を秘めている。実証実験を通じて、安全で効率的な公共交通システムの構築を目指したい」と述べている。



