人口減少時代の「賢い縮小」、知事会で議論 消防統合やAIバス事例
人口減少時代の「賢い縮小」、知事会で議論

人口減少時代に社会インフラを持続可能にし、人手不足に適応する方法を探る「賢い縮小戦略」が、2026年7月16日に鳥取市で開かれた全国知事会議で議論された。分科会では岩手、宮城、高知、岡山の4県知事が、公共サービスの再構築やAI活用など具体的な事例を紹介した。

消防統合のジレンマと再構築

座長を務めた高知県の浜田省司知事は、同県が進める消防本部の統合について言及。「公共サービスがなくなると人口減がさらに進む」というジレンマを認めつつ、「サービス全体を見直して再構築し、本当に必要なものはしっかり守る」と説明した。知事会は昨秋の提言で「スマートシュリンク(賢く縮む)」の視点から、公共施設の統廃合を検討する必要性を打ち出しており、今回の議論はその具体化に向けた一歩と位置づけられる。

民間活力でコスト削減

宮城県の村井嘉浩知事は、上下水道事業の事例を紹介。従来は9つのエリアで個別に運営していた業務を一本化し、民間に一括発注することで管理体制を効率化し、コスト削減を実現したという。村井知事は「水質基準は満たすという条件を担保しながら、競争原理を働かせ、管理は自由にした」と強調。現行法制度の改正も含め、従来の枠組みにとらわれない手法が縮小社会には必要だと示唆した。

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AIオンデマンドバスで利便性向上

岩手県の達増拓也知事は、AIを活用したオンデマンドバスの導入事例を紹介。「バス停がない場所でも乗り降り可能で、地域交通の利便性が高まった」と述べ、人口減少下での交通手段確保のモデルとして期待を示した。

地域の誇りを守る判断を

有識者として参加した元総務相の増田寛也氏は、縮小戦略について「経済合理性だけで判断できない。地域固有の誇りやアイデンティティー、これだけは絶対守るというものを知事が判断して合意形成するのが大事」と指摘。その上で「小規模自治体ほど人口も加速して減っていく。市町村間のばらつきが大きいので県の調整機能は非常に大事になる」と述べ、都道府県による市町村間の調整の重要性を強調した。

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