静岡県が観光振興の新たな財源として「宿泊税」の導入を視野に検討を始めた。インバウンド(訪日外国人客)の伸び悩みや二次交通の不足といった課題を解決しようという狙いがある。だが、検討委員会の初会合では、有識者や市町、宿泊事業者の代表から厳しい意見が相次ぎ、議論は波乱の幕開けとなった。
旅行消費額は堅調も、外国人消費は全国14位
県によると、日本人と訪日外国人を合わせた県内の2025年の旅行消費額は9605億円(全国8位)と堅調な一方、そのうち訪日外国人による消費額は696億円(同14位)にとどまる。外国人客の宿泊は三大都市圏に集中し、県内は日帰りで通過されてしまう傾向が強い。
県は、新幹線の駅などから観光地へとつなぐ二次交通の不足を課題に挙げ、バスの自動運転化や「空飛ぶクルマ」への投資といった新たな施策を展開するため、安定的かつ継続的な財源が必要だと説明する。念頭に置くのが宿泊税だ。
初会合で委員から不満相次ぐ
しかし、8月初旬にあった検討委員会の初会合では、委員から不満が相次いだ。県町村会長の星野淨晋・西伊豆町長は、誘客策について「既存予算で取り組むべきだ」と述べ、「センスが悪い」と苦言を呈した。また、入湯税との重複を指摘する声も上がった。