スペインのサンチェス首相は5日、議会の解散を表明した。住宅価格や家賃の高騰への対応策をめぐり、政府が打ち出した対策案が議会で否決されたことが背景にある。総選挙は11月29日に実施される。
首相が解散の理由を説明
サンチェス氏は5日朝のテレビ演説で、「不平等や公共サービス、住宅の確保をめぐり、解決しなければいけない多くの問題が残っている」と強調した。その上で、国民の利益が「議会で踏みにじられている」として、解散に踏み切った理由を説明した。
住宅価格の高騰が社会問題に
スペインではここ数年、住宅価格が高騰を続けている。スペイン紙エルパイスの9月下旬の記事によると、国内ではこの10年で賃金は約30%の上昇を見せた一方、住宅の購入価格は80%、賃貸価格は87%上がった。特に若者が影響を受けており、18~34歳の7割は親と同居しているという。
抗議活動が拡大
首都マドリードでは9月23日に87歳の女性が賃貸住宅からの立ち退きを命じられたことをめぐり、抗議活動が急拡大した。市民らは「居住の権利、適正な価格で!」などと書かれたプラカードを掲げ、家賃の抑制などを求めた。
政府は立ち退きの防止や賃貸に関する対策を進めようとしていたが、議会での否決を受け、解散・総選挙という形で国民の判断を仰ぐことになった。