2月末、米サウスカロライナ州のフォートジャクソン陸軍基地。到着したばかりの訓練生たちを前に、大隊指揮官が説明を終えると質疑応答が始まった。「外国に配備されたら、現地の人と結婚できますか」。最初の質問に周囲から小さな笑いが漏れたが、質問した本人は真剣だった。
入隊基準に届かない若者を鍛える課程
訓練生たちは緊張した様子で話を聞いていた。丸刈りの男性も、髪を後ろで結った女性も、あどけなさの残る人が多い。不安げな表情も目に付く。
ここは、これまでなら米軍兵士を志望しても門前払いだった若者らを集めて鍛え上げる場所だ。体脂肪率や学力などが入隊基準にわずかに届かなかった彼らは、これから最大90日間にわたって、「未来の兵士準備課程」を受ける。
志願制半世紀で最大の採用危機
トランプ大統領がしばしば「世界最強」だと誇る米軍は、過去半世紀にわたり、自ら志願する市民によって支えられてきた。2期目の就任以降、ベネズエラ、イランと海外への軍事行動を繰り返してきたトランプ氏だが、その米軍はいま、志願者を待つだけでは立ちゆかなくなっている。
こうした「普通」の人たちは、近年、兵士不足に直面してきた米軍が最も必要としている存在だ。



